凶兆編 仮面ライダータキオン&エージェントガール 中編
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シェードの戦闘員達から目を離すことなく肩を並べたまま、漆黒と白銀のライダーは軽口を叩き合っている。
そんな2人の奇妙な距離感に、ヘレンが困惑する中。3人目である銀色のライダーは、両拳に装備された巨大な手甲をぶつけ合わせながら、仲間達の前に進み出ていた。
「おいお前ら、揉めてぇなら後にしとけ。俺達はさっさとコイツらを片付けて、『次』の現場に行かなきゃならねぇんだぞ。……ノバシェードの馬鹿共が暴れてる場所は、ここだけじゃあないんだからな」
新世代ライダー達の中でもベテランである、「仮面ライダーボクサー」こと南義男。ライダー達の「おやっさん」でもある彼は、腕力特化型の両腕さえ霞むほどの大きな拳を構え、臨戦体勢に入っている。
「……それにしても。改造人間、それも腕力特化型の力を生身の女に向けるとは、どこまでも見下げ果てた連中だな。お前達を率いていた上杉蛮児も、草葉の陰で泣いているぞ」
そして、4人目となる最後の男がゆっくりと歩み出て来る。全身を固める紅い装甲と漆黒のマントを特徴とする、「仮面ライダーイグザード」こと熱海竜胆警部だ。
常人には耐えられない負荷が掛かるスーツを平然と使いこなしている警視庁屈指のタフガイは、マントを靡かせボクサーの隣に並び立っていた。威風堂々とした佇まいで戦闘員達の前に立ちはだかった彼は、今は亡きかつての宿敵の無念を憂い、それ故の義憤に拳を震わせている。
「武田禍継、上杉蛮児、そして明智天峯。彼らには彼らなりの『信念』というものがあったが……今のお前達に、そのようなものは微塵も感じられん。被害者意識を拗らせ、暴力を正当化するお前達のような存在だけは……許すわけには行かん。あの3人のためにもな!」
「……そういうわけだ嬢ちゃん、危ねえからちょっと下がっとけ。巻き込まれたら痛いじゃ済まねぇぜ? 『化け物同士』のデスマッチはよ」
「……っ!」
彼ら4人の逞しい背中に絶対的な頼もしさを感じていたヘレンは、気圧されるままに頷くと、白い巨尻を地に擦り付けながら後方に引き下がって行く。特に「既婚者」である義男と竜胆は、その全身から煮え滾るような「義憤」のオーラを噴出させていた。
先ほどまでヘレンが受けていた数々の辱め。それはノバシェードの暴虐が及ぶ全ての場所で起こり得ることであり、その残党が世界中で蜂起し始めている以上、誰にとっても他人事ではいられないのである。
ましてやノバシェードの仇敵である仮面ライダーにして、妻帯者でもある義男と竜胆は、常に愛する妻の生命と貞操を狙われる立場にある。さらにどちらの妻も、誰もが思わず振り返る絶世の巨乳美女なのだ。夫の不在を狙うノバシ
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