凶兆編 仮面ライダータキオン&エージェントガール 前編
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や肌から漂う甘い匂いに惑わされながらも、ベイカーは彼女に促されるまま高級車に乗り込んで行く。
2人を乗せた車両はこの戦地から一刻も早く離脱するべく、エンジンを全開にして急発進していた。巧みなハンドル捌きで行手を阻む瓦礫の山をかわしつつ、ヘレンは街の惨状に唇を噛み締めている。
(……私も、やっぱりまだまだ未熟ね。やっと奴らの尻尾を掴んだと思ったのに、このテロを未然に防ぐことが出来なかった……!)
このエンデバーランドに潜伏しているノバシェードの兵士達が武装蜂起の準備を進めている、という情報を掴んでいた彼女は、「応援」を待つ時間も惜しんで街に駆け付けていたのだが。彼女が街に到着した時にはすでに、このテロが始まっていたのである。
あとほんの少し、情報の入手が早ければテロを未然に防げていたのかも知れない。そう思えば思うほど、自責の念が爆乳女捜査官の豊かな胸を締め付けて行く。
(それでも……せめて、この人だけは何としても逃して見せる! 見てて、ロビン兄さん! 仮面ライダーっ!)
だが、いくら後悔しても時間を巻き戻すことは叶わない。それを受け入れられないほど子供ではない。だからこそ、今の自分に出来る最善を尽くさねばならない。
ヘレンはその一心でアクセルを踏み込み、ハンドルを操って行く。だが、巧みなテクニックで瓦礫だらけの道を走っていたのは――彼女だけではなかった。
「俺達ノバシェードから逃げられると思ってんのかァッ!? デカ乳の姉ちゃんッ!」
「やっと見つけたぜぇ! あんただろう!? 俺達のことを嗅ぎ回ってたって言う……特務捜査官ってのはよォオッ!」
「……ッ!」
後方から迫る数台のバイクも、軽やかなジャンプで瓦礫を飛び越して道路を疾走していたのである。ノバシェードの追手が、2人に狙いを定めようとしていた。
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