特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 最終話
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に起きていた、最後の戦いであった――。
◆
――遥か遠くのアジア大陸に在る某国の国境線付近に、今も残されている森林部。その奥深くには、16輪の花々がひっそりと咲き乱れていた。
今となっては誰も居ない、ただ鬱蒼と生い茂る森だけとなっているその場所はかつて、「ツジム村」と呼ばれていた。
反政府ゲリラを恐れた当時の国防軍の暴走により、滅ぼされてしまった悲劇の村として知られている。
もはや、その悲劇の真実を知る者は数えるほども居ない。それでも、その地に咲く花々は、全ての戦いが終わった今も強く生き続けている。
かつてこの地を襲った無念を噛み締め、全ての業を一身に背負い。激動の時代を「怪人」として戦い抜いた、16人の戦士達のように――。
◆
――穹哉さん! 本当なんですか、警察辞めるって……!
――忠義……あぁ、その通りだ。俺の脚はもう……治らないらしい。日常生活は送れても、犯人を追って走ることは……もう出来ないと言われたよ。
――そんな……!
――結城丈二博士の改造手術に頼る手も、考えたことはある。……けど、やっぱり止めにしたんだ。
――どうして! 脚だけでも改造しちまえば、警察を辞める必要なんて……!
――つまらない意地にしか聞こえないかも知れないけどさ。俺は、生身のままの俺でいたいんだ。
――!
――俺の一生を賭けて……見せ付けてやりたいんだよ、「あいつら」に。何者でもない、生身の人間だからこその強さって奴を。
――穹哉さん……。
――あいつらは自分達を「勝者」と言ったが……死ぬことでしか勝ち取れないものがあるなんて、俺は認めない。俺は……何の特別な力も無いただの人間として、何としても生き延びて……あいつらを超えて見せる。
――分かりました。だったら……俺もちょっと、休暇を貰います。
――休暇? どうする気なんだ?
――決まってるでしょ、アメリカにいる光博士に会いに行くんです。彼女の力を借りればきっと、穹哉さんの脚を元通りに治せる方法だって見つかるはずです。いいや、絶対に見つけてみせる。
――忠義……。
――命ある限り、仮面ライダーは絶対に諦めない……でしょう? だから……どうか死なないでくださいね、穹哉さん。
――あぁ……分かってる。俺はまだ、逝けないよ。あいつらにも……「勝ち逃げ」されたくはないからな。
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