特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 最終話
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ースマン、戦馬聖。享年75歳。
カマキリザード、間霧陣。享年95歳。
そして――エインヘリアル、山城一。享年117歳。
彼らは最期まで。人ならざる怪物として、死することを選んだのである。
まるで徳川清山と、羽柴柳司郎の後を追うかのように。
「ば、馬鹿野郎ッ……! それでも、それでも俺達にとって……お前達はッ……!」
半壊した仮面の下で、苦悶の表情を露わにしながら。ケージこと穹哉は、悔しげに地面を殴り付けていた。
「ち……ちくしょうがぁあッ……!」
立ち上がることも出来ないほどの重傷を負っている彼に出来ることは、それだけだったのである。それは、始祖怪人達の自爆を許してしまった忠義達も同様であった。
「くっ、そ……ぉ、おぉおッ……! 許してくれ、山口ッ……!」
「天塚ッ……!」
兵員輸送車の目前で力尽きていた春幸は、地に伏していたおかげでLEPとRCの自爆に巻き込まれることなく、一命を取り留めている。
だが、自爆の仕掛けを理解していながら阻止出来なかった彼の表情には、安堵の色など一欠片も無い。そんな彼の苦悩を慮る梶も、痛ましげに目を伏せている。
――かくして。始祖怪人達は新世代ライダー達に戦士としての「勝利」を明け渡し、警察官としての「敗北」を突き付けた。
そして、組織の最高戦力だった彼らの全滅を以て、ノバシェードの壊滅は決定的なものとなったのである。だが、この戦いには生きた「勝者」など居なかった。
新世代ライダー達は最後の最後まで、始祖怪人達に警察官として勝利することは出来なかったのである。この戦いの終焉をテレビやネットで見届けていた世界中の人々は、表面上だけの「仮面ライダーの勝利と生還」に沸き立っていたが――その当人達は皆、沈痛な面持ちで俯いていた。
彼らだけではない。中継を通してライダー達を見守っていた番場惣太総監をはじめとする、彼らの理解者達も物憂げに視線を落としている。
ワシントンから戦いの行方を見守っていた、インターポールのロビン・アーヴィング捜査官。研修先の島から始祖怪人達の死を目の当たりにしていた、番場遥花。その遥花の研修先に居た勤務医こと、南雲サダト。そして――遠い穏やかな地で、静かに暮らしていた吾郎と日向恵理。
新世代ライダー達が味わっている苦悩と敗北感に理解を示していた彼らは、歓喜の声を上げる他の人々を他所に。中継映像に映されている彼らの姿に、労わるような眼差しを向けている。
そして、苦い決着を迎えた彼らを優しく包み込むように――戦いの終わりを告げる眩い夜明けが、放送局のビルにも差し込んでいた。
「仮面ライダー」と呼ばれる者達も、「怪人」と呼ばれる者達も居なくなる新しい時代。
これは、そんな2022年に至る直前
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