特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 最終話
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察官なんだ……! 犯人を殺すために来たんじゃない、捕まえに来たんだ……! 絶対に、死なせるもんかよぉおッ……!」
何度も転んでは血反吐を吐き出し、それでも息を荒げて必死に立ち上がり、春幸は進み続けて行く。兵員輸送車はもう、目の鼻の先であった。
「もう、少し……! もう、少っ……!」
だが、後一歩というところで力尽きたように倒れ伏してしまう。
彼はまだ前に進もうと指先を地面に引っ掛けていたが、そこから立ち上がるには、余りにも血を失い過ぎていた。
――そして。
「ついに……この時が来たようだな」
戦いに敗れ、「覚悟」を決めた始祖怪人達は――己の内側から迫り上がって来る「灼熱」を感じながら。最後の力を振り絞るように、震える指先で胸元の無線機に触れる。
そして、その指先で無線機の周波数を――二通りの数字に揃えるのだった。だが、そこから発せられた通信に応答はない。
それはもう、決して届くことのない最期の任務報告。もう繋がることのない、2人の男達に向けた無言のメッセージだった。
所詮、幻に過ぎない。現実の光景であるはずがない。それでも死せる勇者達は、確かに視たのである。
かつて共に、激動の時代を生き抜き――ほんの一足早く、先に逝ってしまった男達の背中を。彼らは、最期に視たのだ。
――そうか、出迎えに来たのか。お前達はいつも、我々の先を行ってしまうな。いつもながら、せっかちな奴らだ。もう……我々の力は、必要ないのだな。それを、心から信じられる時代が……やっと、来たのだな。
「待っ――!」
心の底では人でありたいと願っていた明智天峯達と、心の底から怪人であることを受け入れていた始祖怪人達。その違いが、命運を分けたのだろう。
穹哉達は、「待て」と言い切ることすら出来なかった。
仮面ライダーRCを失ったLEPによる、自爆システムが起動するのと同時に――全ての始祖怪人が、跡形もなく爆ぜて行く。
数十年にも渡る喜びも、悲しみも、何もかも掻き消して。爆炎の向こうへと、消えて行く。
ミサイルイナゴ、橋部一雄。享年72歳。
アルコサソ、アシュリー・フォール。享年63歳。
トライヘキサ、ジョン・ドゥ。享年55歳。
サザエオニヒメ、福大園子。享年73歳。
紅衛校。享年61歳。
プラナリアン、波田水過。享年68歳。
Datty、間柴健斗。享年77歳。
ハイドラ・レディ、加藤都子。享年71歳。
ブレイズキャサワリー、ブリード・フラナガン。享年66歳。
タパルド、速猟豹風。享年73歳。
ケルノソウル、プリヘーリヤ・ソコロフ。享年58歳。
レッドホ
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