特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 最終話
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うだから、教えておいてやる。俺達は、明智天峯達とは違うぜ」
「なに……!?」
「俺達は皆、自らの信念を以て自らの意志で、人間の身体を捨てたのさ。この期に及んで、人間の法に則るつもりなんざ毛頭ねぇ」
一方、割れたガラス壁から墜落した戦馬聖を追い、1階に降りていた忠義・ウェルフリットも。対面した戦馬の言葉に不穏な気配を覚え、眉を顰めていた。
屋上で力尽きたエインヘリアルこと山城一も、鳥海穹哉に対して同様の内容を語っている。穹哉も忠義や風香達と同様に、始祖怪人達の動向を訝しんでいた。
「……冷戦の時代でも、アフガンの戦地でも。我々は皆、地獄という言葉でも足りない『惨劇』を毎日のように見てきた」
「東西の代理戦争と……2001年から始まったアフガニスタン紛争のことか」
「そのような時代にも負けまいと、懸命に生きていた者達が皆……愚者の都合一つで、『生贄』にされる。それが……あの世界の『日常』だった」
「……!? おい、待てッ!」
穹哉の予感は、最悪な形で的中しようとしていた。山城は言葉を紡ぎながらも、屋上の淵に向かって動き始めたのである。
力をほとんど使い果たした状態でありながら、彼は地を這ってでも奈落に進もうとしていた。その後を追うには穹哉の消耗があまりにも激しく、彼はほとんど身動きが取れずにいる。
「それから何十年も経つというのに……脆弱な肉体に囚われた愚かな人間共は、それでも過ちを繰り返している。我々シェードという……万国共通の大敵が現れてもなお、だ」
「どこへ……いや、何をするつもりだ!?」
「だから我々は……この命を賭して、お前達の前に現れたのだ。この時代、この世界を脅かす……純然たる絶対悪。最後の『怪人』としてな」
「最後の、怪人……!?」
「……我々は人では無い。故に、お前達が悔やむことはない。お前達がお前達の信念に従ったように……我々もまた、我々の理念に殉ずるのみなのだから」
「ま……待てッ……!」
やがて、淵に辿り着いた山城は穹哉の方へと振り返り、ふっと笑みを浮かべる。自分を打ち倒した「勝者」を見詰める、称賛の眼であった。
だが、彼が――彼らがこれから行おうとしていることは、穹哉達警察官にとっての「勝利」からは程遠いものである。それを理解しているからこそ、彼は嗤っているのだ。
「この決着は……気に食わんか? それなら……我々が『勝者』だ」
「……!」
山城だけではない。他の始祖怪人達も皆、自身に打ち勝った新世代ライダー達の奮闘を讃える一方で、警察官としての「敗北」を突きつけようとしている。
そしてライダー達にはもう、それを阻止出来るほどの力は残されていなかった。最後の最後で、始祖怪人達はある意味においては「勝利」してしまうことになる。
「あ、天塚…
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