特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 最終話
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奴の改造手術で……!」
Dattyこと間柴健斗の言葉に、悲しげな声を上げる南義男。彼の叫びは、この荒れ果てたスタジオ内に虚しく響き渡っていた。
「……いいえ、違います。私達始祖怪人が造られた当時は、清山様の技術はまだ脳改造にまで着手できる段階ではなかった。私達はずっと、私達自身の意志で戦って来たのです」
「自分自身の意志で選んだ道だからこそ……俺達に負けた事実も、受け止められると?」
ハイドラ・レディとしての力を喪失し、ただの無力な女と成り果てた加藤都子。彼女の傍に立つ森里駿は、憐れむように彼女を見下ろしている。
「そうだ。そしてお前達の成長を見て、ようやく理解した。生身という弱い肉体だからこそ、その弱さに由来する恐怖に抗おうとする。そこには……俺達すらも凌ぐ、強靭な精神というものが在る。俺達が、人間としての己を捨ててもなお得られなかったものが……今、お前達の手にあるのだ」
「貴様達が、得られなかったもの……か」
かつてはブレイズキャサワリーと呼ばれ、恐れられたブリード・フラナガン。哀れな敗残兵と化している今の彼を、東方百合香はどこか物憂げに見据えている。
「だが、お前達は……あの日の私達と、同じだな。賽の目が出てしまった後になって、現れる。運命を変え得る強さを持っていながら……その分かれ目に間に合うことがない」
「何を言っている……?」
タパルドこと、速猟豹風。彼女をはじめとする始祖怪人達の脳裏に過るのは、47年前に某国で起きた惨劇の記憶であった。その暗澹たる悲劇を知らない道導迅虎は、何事かと眉を顰めている。
「気が遠くなるほど……遠い昔のことよ。あなた達が知る必要はないわ」
「もういい……もう喋るな、ソコロフ。続きは病院で聞いてやる。傷が治ったら、そこから先は拘置所だがな」
ケルノソウルとしての力を使い果たし、ただのプリヘーリヤ・ソコロフとして倒れ伏している1人の少女。ジャック・ハルパニアはそんな彼女をこの場から連れ出そうとしていたが、ソコロフは片手でそれを制止している。
一方、ニューススタジオからさらに上の階にある廊下では、立ち上がった明日凪風香が間霧陣に手を貸そうとしていた。
「ふっ……面白い奴らだ。この期に及んで、俺達を人間のように扱うとはな。ただの人として接されたのは……もう、何十年振りになるだろうか」
「言葉と心が僅かでも通じ合うなら、どんな姿でも……どんな力があっても、俺達は人間同士だ。そこを譲るつもりはない」
だが、間霧は風香の手を振り払い、手助けを拒もうとする。その意図が読めず、風香は怪訝な表情を浮かべていた。もう戦いを続行出来る力は微塵も残っていないというのに、これ以上抵抗して何になるのか――と。
「……お前達は一つ思い違いをしているよ
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