特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第22話
[8/8]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
命付けられていたのかも知れない。
◆
――やがて。よたよたとふらつきながらも、互いの拳と刃が届く間合いに辿り着いた瞬間。男達は最後の力を振り絞り、吼えるのだった。
「でぇあぁあッ……!」
「ぬぉおぉあぁあッ……!」
そして2人は、腰が入らないまま拳と刃を振り抜き――互いに空を切る。そのまま胸と胸をぶつけ合った彼らは、激しく息を荒げながら転倒し、力尽きてしまうのだった。
「か、はッ、あッ……!」
「ぐっ、はぁあ、ぁッ……!」
数年前に仮面ライダーGとの戦いに敗れ、仮死状態に陥っていた時から。エインヘリアルをはじめとする始祖怪人達のボディは耐用年数をすでに超過しており、かつての性能を発揮し切れないところまで「老朽化」していたのだ。
5年前、仮面ライダーAPとの最終決戦に臨んだ羽柴柳司郎が、そうだったように。
そして仮死状態から目覚めて間も無く、戦闘行為を再開したことで。止まっていた彼らの時計は再び動き出し――この瞬間、すでに老朽化していたボディがついに限界を迎えてしまったのである。
改造後も生身の部分を多く残していたため、変身前の外見も年相応に老けていた羽柴柳司郎とは違い、変身前の彼らの容姿は47年前からさほど変わっていない。
それは柳司郎と比べて、生身の部分がごく僅かしか残っていなかったためなのだが……その変化の少なさが、「衰え」に対する自覚を妨げていたのだ。
人間ではないからこそ、己の身体に残されたダメージに対しても鈍感になってしまう。それ故に彼らの多くは、かつて仮面ライダーGに敗れた際に生まれた「古傷」も見落としていた。
もし彼らが、全盛期の能力とボディを維持したまま現代まで生き永らえていたのであれば。新世代ライダー達には、万に一つも勝ち目など無かったのだろう。
だが、例えばの話に意味はない。始祖怪人達の老朽化が極限の域に達したことにより、双方の力量差に揺らぎが生じた。その現実に、変わりはないのだ。
そして、その揺らぎがこの戦いの明暗を分け、新世代ライダー達に勝利を齎したのである。
「ぐ、うッ……!」
ケージが辛うじて上体を起こしている一方、全く起き上がれずにいるエインヘリアルの姿が、その証左となっていた――。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ