特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第22話
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−Dの方が仮面の下で笑みを溢すのだった。
「そうか。……それを聞いて安心した」
「……何が言いたい」
「この戦いで何かを勝ち取るつもりも無ければ、生き残るつもりも無い。そんな惰弱な男に負ける理由など無いからな」
「惰弱? 生身の人間風情が言うに事欠いて、改造人間であるこの俺を惰弱と言ったのか」
「その通りだ。俺達仮面ライダーは……いや、全ての人間達は……誰もが『未来』を視て生きている。勝ち取り、そして生き残るために今日を生きている。それは、かつて人間だったお前達にも在ったはずのもの……意志の力だ」
勝利に懸ける執念。その最も肝要な原動力が欠落している者達の闘志など、恐るるに足らず。
そう発言して憚らないΛ−Dは、挑発に乗って両刃を構えたカマキリザードと鋭い眼差しを交わし――同時に間合いを詰めて行く。
「……『未来』を渇望する意志の力を自ら捨てた貴様達に、俺達が負けることなど万に一つもあり得ない! これで終わりにしてくれるッ!」
「……どのような御託も『決着』の前には全て吹き飛ぶ! かつては誰もが正義と信じた大東亜戦争が、無様な結末を迎えたようにな! そんな敗北の歴史に生きて来たお前達に……何が出来るッ! 何を守れるッ!」
互いに拳と刃を振りかぶり、双方の命を断ち切らんと全力の一閃を繰り出して行く。この意地を賭けた一騎打ちに、決着を付けるために。
動きは僅かに、カマキリザードの方が疾い。彼の両刃は弧を描き、Λ−Dの首を狙う。
その刃を両拳の甲で受け止めたΛ−Dは、鮮血を噴き上げながらも両刃を払い除け、自身の間合いに飛び込んで行った。
「ぬ、ぅッ……!?」
「歴史に『結末』など存在しないッ! 俺達の歴史は、この先も続いて行くッ! 『仮面ライダー』も『怪人』も要らない時代に辿り着くまで……俺達人間は、生きるッ!」
自分達が必要とされなくなる、新時代を目指して。Λ−Dは剛拳を振るい、全ての力を込めた一撃でカマキリザードの鳩尾を打ち抜くのだった。
カマキリザードの腹部を貫通し、後方に突き抜けた衝撃波が廊下の壁やガラスを粉々に破壊して行く。怪人の骨がバラバラに砕け、トカゲ型の大顎から鮮血が吐き出されたのは、その直後であった。
「ごぉ、ぁあッ……!」
「はぁっ、はぁ、はぁっ……!」
生体装甲の防御力など容易く突破する、オーバーロードの鉄拳。
その一撃に破られたカマキリザードは変身能力を喪失し、野戦服を纏う壮年の戦士――間霧陣の姿を露わにして行く。
一方、Λ−Dもオーバーロードの反動で全システムがダウンしてしまい、明日凪風香の姿に戻されてしまうのだった。
厳つい壮年の男と、可憐な女子高生のような容姿を持つ「男の娘」。先ほどまで死闘を繰り広げていた者同士とは思えない外
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