特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第22話
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上に、守らねばならない善き人々が居ることを知っている。だからこそ忠義は仮面ライダーとして、剣を取っているのだ。
「信じても……いいんだな? もう……人間は弱くも、愚かでもないのだ、と……」
そんな彼の「勝利」を見届けた戦馬は、憑き物が落ちたような安らかな微笑を零すと。命とも言うべき紅い両手剣を手放し、ふらふらと吸い込まれるように――割れたガラス壁から、地上へと墜落して行く。
「……ッ!」
その瞬間を目撃した忠義は、血溜まりの中で独り拳を震わせていた。この戦いを制したのは間違いなく彼であるが、彼自身は自分を勝者だとは微塵も思っていない。
「……信じていいぜ。俺も……信じてる」
彼は仮面ライダーである前に、犯人を逮捕しなければならない、警察官なのだから。
◆
オルバスとレッドホースマンの死闘が繰り広げられていた場所のすぐ近くでは、仮面ライダーΛ−Dとカマキリザードが雌雄を決しようとしていた。
全システムを限界以上の出力で強制稼働させることにより、一時的に劇的なパワーアップを遂げる「オーバーロード」。
その切り札を解き放ったΛ−Dは、カマキリザードの強靭な生体装甲すらも穿つほどの膂力を発揮している。そんな彼の絶大なパワーで殴り倒されたカマキリザードも、すでに満身創痍となっていた。
「……オーバーロード状態でこれほど叩きのめしたというのに、まだ動けるか。しぶとい男だ」
「生憎だが……俺は、しぶとさだけが取り柄でな。伊達にあの時代を生きてはいない」
神風特別攻撃隊の生き残りであり、戦後も闘争に明け暮れ死刑囚にまでなり、それでもなお今日まで生き延びて来た、筋金入りの「死に損ない」。
そのタフネスを自負するカマキリザードは、Λ−Dの鉄拳で全身の骨を砕かれていながら、不遜に口元を歪め、嗤っている。
一見すればΛ−Dの優勢にも見えるこの状況だが、彼の方もオーバーロードの代償として強烈な負荷に晒されており、体力はもはや限界を超えている状態なのだ。
次の瞬間、どちらが倒れてもおかしくない状況なのである。にも拘らず2人の強者は、その疲弊を決して表に出すことなく睨み合っていた。
「何が貴様をそうさせる。何が貴様を駆り立てる。そうまでして貴様が欲するものとは、一体何なのだ」
「欲するものなら、もう手に入っているさ」
「なに……?」
「改造人間の力を世に知らしめ、清山と柳司郎が遺した伝説をこの時代に紡ぐ。俺達はそのための『死に場所』を、この場所に見出したのだ。そしてお前達が俺達の前に現れた時点で……すでに、その望みは果たされたのだよ」
その底なしの闘志はどこから来るのか。そんなΛ−Dの問いに答えたカマキリザードの言葉に、「男の娘」が眉を顰める。
次の瞬間、今度はΛ
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