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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第22話
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ドホースマンの身体を貫通し、ガラス壁を粉砕していた。

「ぐっ、ぉ、お……!」

 背骨を斬られた上、そこから吹き込む猛風に体勢を崩されたレッドホースマンは、足元に広がる血溜まりの上をよたよたと彷徨い歩いている。
 決着の行方は、火を見るよりも明らかであった。

「はぁ、はぁ、はぁっ……!」

 対するオルバスも、残心をとる余力もなくエンジンブレードから手を離し、片膝を着いている。止血剤による応急処置を始めてはいたが、すでに彼も意識朦朧となっていた。

 そんな彼を見遣るレッドホースマンは変身を維持する力を失い、野戦服を着た長身の美青年――戦馬聖としての姿を露わにしていた。
 素顔を晒した彼は、自身が目を掛けていたオルバスの勝利に、満足げな笑みを溢している。

「は、ははっ……どうやら俺の見立て通り、『後者』だったみてぇだなぁ」
「……何の話だ」
「お前のその力がジャスティアドライバーに由来するものか、お前自身が持つ生来のものか……ってことさ」
「俺自身の力……? 何を言ってやがる。俺の力なら、光博士が作ったジャスティアドライバーのおかげに決まってるだろうが」
「ハッ、馬鹿言え。どんなに凄い代物だろうが、機械は所詮、どこまで行っても機械に過ぎねぇ。その使い手がゴミなら、どれだけ大したマシンでもレースには勝てねぇようにな」

 ジャスティアドライバーを開発した一光博士。彼女の尽力が力の源だと言い放つオルバスに対し、戦馬はオルバスの装着者である忠義・ウェルフリット自身の「成長」が、この勝負の鍵だったのだと確信していた。

 数ヶ月前に一戦交えた時とは、別人のような剣技の冴え。その鋭さを肌で体感した彼は、忠義の弛まぬ努力がジャスティアドライバーの真価を引き出したのだと理解していたのである。

「……誰の命だって、軽いもんじゃあねぇ。それでもそいつを賭けなきゃあ、成し遂げられないことがある。だからこそ、せめてそこには『意義』がなきゃあならねぇ。最後に勝つのは、その『意義』をより強く持っている奴だ。だから……お前は勝ったんだ」
「いやに……嬉しそうだな」
「……嬉しいさ。俺達が改造人間の力を世に示さなくちゃならなかったのは、それだけ人間が弱く、愚かな連中だったからだ。そんな奴らが幅を利かせる時代が、ずっと続いていたからだ」
「……」

 飄々としながらも、どこか物憂げな戦馬の表情を目にした忠義は、暫し押し黙る。
 長い年月を生きて来た始祖怪人だからこそ、必要以上に人間の醜さを見て来たのだろう。それは彼の貌を目にすれば、容易に想像出来ることであった。

 忠義自身も、守るに値するのか分からなくなるような人間達の存在を、知らないわけではない。22年しか生きていなくとも、その程度のことは分かる。
 だがそれ以
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