特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第21話
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っ……! が、はぁっ……!」
「はぁ、はぁっ……! どうやらこのレース、私の勝ちで決まりのようだね! さっさとリタイアしたら? これ以上続けたら……あんた、本当に死んじまうよ!」
「……私は今まで、どんなレースでも最後まで投げたことがなくてね。勝負ってのは、決着が付く瞬間まで諦めちゃあいけないのさ」
「ハッ! 順位ならすでに歴然だと思うけど? 私が上、あんたは下。これ以外の事実が存在するとでも?」
それでも、ティガーの仮面に隠された道導迅虎の眼には、微塵も曇りというものがない。最後には必ず自分が勝つ、そう信じている者の眼であった。
その瞳の輝きを知らないタパルドは、そんな彼女の奥底に秘められた底力を察することが出来ないまま、彼女の言葉を虚勢に過ぎないと嗤っている。
「あるさ……! 私がこれから、貴様を超える! そして私が、このレースを制するッ!」
「口が減らない女だねぇ……! この期に及んで、まぁた『痛い目』を見る気かいッ!」
そんなタパルドに、一泡吹かせるべく。ハンミョウを想起させる独特なスタートダッシュの姿勢に入ったティガーは、弾かれるように一気に飛び出して来た。
彼女を迎え撃つべくタパルドも爪を振るうが、何度も装甲を削ぎ落とされたことでより軽量化されていたティガーは、タパルドの予測を超える疾さで爪をかわしてしまう。
――だがこれまで、タパルドの生体装甲にティガーの爪がまともに通用したことなど、ほとんどない。
反応装甲の機構を備えているタパルドの外皮は、限界値以内の衝撃をそのまま相手に跳ね返してしまうのだ。ティガーの爪はこれまで何度も、タパルドの防御機能に弾かれて来た。
「甘いよッ! 何度仕掛けても、あんたの爪じゃあ私のは反応装甲は――!?」
今度の攻撃もこれまで同様に弾かれて終わり、その隙が彼女の「最期」となる。そうほくそ笑んでいたタパルドだったが――その油断が、命取りとなるのだった。
そこで繰り出されたティガーの爪による斬撃。
それは、今までの攻撃とは桁違いのエネルギーを発揮していたのである。
「でぇえああああぁあーッ!」
両腕の爪をクロスさせて一気に突撃し、懐まで入ったところを一気に叩き斬る。ただそれだけの、シンプルな一閃。
その名も、「ティガーチャージ」。
彼女の装甲服に残された全エネルギーを集中して解き放つ、唯一にして最大の「必殺技」なのだ。
この技は予備動作も含めて隙が大きく、また大振りであるためかわされやすい。そこで彼女はタパルドの油断を誘うため、敢えてティガーチャージに頼らない通常攻撃を繰り返していたのだ。
何度弾かれても諦めることなく、無駄な足掻きを続ける。それによって、テ
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