特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第20話
[1/3]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
放送局内のニューススタジオ。その空間で繰り広げられた超人達の激闘は、室内の設備を破壊し尽くしていた。
その荒れ果てた室内で熾烈な拳闘を繰り広げていた仮面ライダーボクサーとDattyの「最終ラウンド」も、佳境を迎えている。
互いにファイティングポーズを取っている両者は、足元をふらつかせながらも最後の一撃を決めようとしていた。
「はぁ、はぁッ……!」
「へ、へへっ……やぁるじゃねぇか、ファンボーイ……! この俺を相手にここまで張り合って来るとは、大したタマだ……! 警察なんかより、プロボクサーになってた方が成功してたんじゃあねぇかぁ?」
Dattyよりもダメージが深刻なのか、ボクサーの足取りは彼以上におぼつかないものになっていた。それでもボクサーこと南義男は、その双眸でしっかりと宿敵の姿を射抜いている。
かつて憧れた相手であり、何としても超えねばならない壁でもある宿敵を。
「……もう、なってるさ。俺はプロの刑事……そして、『仮面ライダーボクサー』だからな……!」
「はははッ! なぁるほどなぁ、そりゃあ確かにプロ試験も合格済みだァ! じゃあ……いっちょ試してみるかい? 俺を超えて、チャンピオンになれるかどうかをよォッ!」
そんな彼に引導を渡すべく、Dattyは大きく踏み込み最後のストレートパンチを放とうとしていた。
戦車すら横転させる彼が全力で繰り出すその一撃は、生半可な威力ではない。これまでボクサーを痛め付けて来たのは所詮、ジャブやフックに過ぎないのだ。
このストレートをまともに喰らえば、ボクサーはその衝撃だけで装甲もろとも首を消し飛ばされてしまうだろう。だが彼は恐れることなく、真っ向から迎え撃つように踏み込んでいた。
「おらぁあぁあぁあッ!」
「どぉらぁああぁッ!」
ボクサーはその巨大な右腕に銀色のエネルギーを凝縮させ、Dattyの顔面目掛けて強烈なストレートパンチ「シュリンプストレート」を繰り出して行く。
そして、両者の絶叫がこのスタジオに反響し――激しい衝撃音が響き渡った。クロスカウンターの如く突き出された鉄拳が、相手の顔面に炸裂したのだ。
先にパンチを命中させていたのは――ボクサーだった。渾身のシュリンプストレートを受けたDattyはよたよたと後退り、徐々に間柴健斗としての姿に戻って行く。
「……へっ、こりゃあ世界だって狙えちまいそうだぜ。なぁ、ファンボーイ……いや、仮面ライダー……ボクサーッ……!」
自分を超えた、新たなるチャンピオンの誕生を祝うように。ボクサーの勝利を認めた彼は、轟音と共に倒れ込んでしまうのだった。
そんな宿敵の「ノックアウト」を見届けたボクサーの仮面も、一拍遅れて崩れ落ちてしまう。命中したのはシュリンプストレートの方が
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ