特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第20話
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」を受け流すことだけは、出来なかったのである。
爆ぜるような憤怒を剥き出しにしたハイドラ・レディは、全ての蛇頭を一直線に伸ばしてタキオンを仕留めようとする。
それは無軌道に動き回っていたこれまでの挙動と比べて、非常に「単調」なものとなっていた。
(蛇頭の挙動が一気に単調になった……! 今しかない、この瞬間しかない! 残り3カウントで、奴を倒すにはッ!)
残された僅かな時間と、ハイドラ・レディが見せた微かな隙。そこに光明を見出したタキオンは、真っ直ぐに伸びてくる蛇頭の隙間を掻い潜るように急接近して行く。
ハイドラ・レディが彼の目的に気付いた時には――すでにタキオンは「間合い」に飛び込み、飛び蹴りの姿勢に入っていた。
「し、しまッ――!?」
『3,2,1――RIDER KICK!』
「ライダー……キック! はぁぁあッ!」
そして、超加速状態が終了する瞬間。タキオン粒子を集中させた右足を振るい、最大火力の「ライダーキック」を放つのだった。
強烈な轟音と共にハイドラ・レディの身体が吹き飛び、スタジオ内の壁に叩き付けられて行く。
「あが、ぁあぁっ……!」
そこから彼女の身体がべしゃりと床に落下した時、すでにその姿は美しい着物姿の女性――加藤都子のものになっていた。
「柳司郎、様っ……! 都子は、最期まで……あなた様のッ……!」
羽柴柳司郎を心から愛し、彼と運命を共にする。そのためだけに生きて来た女は、愛した男と共に死ぬことも、その無念を背負って生き抜くことも出来なかった。
残されたのは、己の無力さへの嘆きだけ。そんな都子の姿を見遣るタキオンは、力尽きたように片膝を着き――変身を解除していた。
「……貴様のたった一つの敗因は、自分のために勝とうとはしなかったことだ。俺は俺のために……守りたい者を、守る」
亡き妹の面影を持つ、番場遥花。彼女を守るために戦い抜いて来た仮面ライダータキオンこと森里駿が、この戦いを制した唯一の勝因は――戦う理由の重み、だったのかも知れない。
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