特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第20話
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先だったのだが、Dattyの拳も僅かにボクサーの顔面に触れていたのだ。
辛うじて接触した程度の衝撃であったのにも拘らず、それだけでボクサーの仮面が崩壊したのである。まともに喰らっていれば、間違いなくボクサーの方が「ノックアウト」されていたのだろう。
「悪いが……俺はもう、世界にもチャンピオンにも興味はねぇ。市民の笑顔が……俺のタイトルだからな」
その接戦を制したボクサーこと南義男は、誇らしげな表情を露わにする。何の栄冠も手にしていない一介の刑事である彼は、無冠の覇者としてその拳を天に掲げるのだった。
◆
ハイドラ・レディの髪先が変異した、無数の蛇頭。それぞれが意思を持っているかのように無軌道に飛び回るその牙を、仮面ライダータキオンは必死にかわし続けていた。
超加速機能「CLOCK UP」を有しているタキオンの疾さに付いて来れる怪人などあり得ない……はずなのだが。ハイドラ・レディの蛇頭は自動誘導弾の如く、ピッタリとタキオンを追跡している。
「……タキオン粒子を発見したのは芦屋隷だけだと思っていましたか? 残念ですが、あなたの超加速は所詮……私の『後追い』に過ぎません」
「やはりこの女、俺と同じタキオン粒子を……! 道理でクロックアップ状態の俺を、これほど正確に補足出来ているわけだッ……!」
彼女がタキオンと同じ「領域」に達している――即ち「CLOCK UP」状態にあることは明らかであった。
芦屋隷がタキオン粒子を発見してタキオンのスーツを完成させたように、彼女もその粒子が齎す超加速能力を獲得していたのである。
「同じ? ……失敬な。あなたのような紛い物では所詮20カウントが関の山のようですが……私のクロックアップにはそんな時間制限は無いのです。完全上位互換、と訂正してください」
能力の維持においても、戦闘技能においてもハイドラ・レディの方が遥かに上回っている。対してタキオンは、超加速能力の有効時間が限界に達しようとしていた。
「……その長ったらしい能書きも羽柴柳司郎の教えか? どうやら戦士としてはともかく、戦術教官としては3流だったようだな!」
このまま超加速状態が終了すれば、今度こそ確実な敗北が訪れてしまう。タキオンはその結末を回避するべく、最後の「悪足掻き」に出た。
「貴様……柳司郎様を愚弄するかァアッ!」
加藤都子が正規の訓練を受けたプロの軍人だったなら、安い挑発と切り捨てていただろう。だが彼女は、柳司郎と生死を共にするためだけに改造人間になった身であり、他の隊員達と比べれば精神面に脆い面があった。
故に。タキオンが意図的に踏んだ「地雷
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