特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第19話
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pe-αを上回っているからこそ、彼は装甲服の先にまでナイフを突き刺せたのである。そのナイフが胸に刺さったまま、その時と同じ体勢に持ち込まれたtype-αのプレッシャーは凄まじいものであるはず。
――なのだが。彼はこの土壇場でも焦ることなく、飄々とした笑みを浮かべていた。
「確かに……スペックも技量も貴様の方が遥かに上だろう。だが俺にあって、貴様にないものがただ一つある!」
「――ぬッ!?」
次の瞬間。プラナリアンの額に頭突きを見舞ったtype-αは、その一瞬の隙に胸から強引にナイフを引き抜く。
「貴様にとっての肉眼は、何にも覆われていない『剥き出し』であるということだッ!」
「むぉおおおッ……!? まさか、ここまで死を恐れんとはッ……! 何という男だッ!」
そこから噴き上がった鮮血が、プラナリアンの視界を潰したのはその直後だった。
type-αは彼の眼を自分の血で潰すために、敢えて刺された時と同じシチュエーションに持ち込んでいたのである。その読み通り、至近距離で鮮血の水鉄砲を浴びたプラナリアンは視界を奪われ、大きく仰け反ってしまう。
その大きな隙が、最初で最後のチャンスだった。
敢えて一度、スーツの機能をダウンさせたtype-αは――「再起動」に伴い発生する高エネルギーを片脚1本にのみ凝縮させて行く。そして、腰の入った強烈なハイキックをプラナリアンの首筋に叩き込むのだった。
「おぉおおぉおッ!」
「ぐぅうぅッ! ぬッ、あぁあッ……!」
type-αの全動力をその一撃にのみ集中させて相手を討つ、「システム・オーバーホール」。その一閃が、プラナリアンの首に炸裂したのである。
視界を封じられたまま、その必殺技を浴びてしまったプラナリアンは大きくよろけ――怪人としての姿を維持出来なくなり、波田水過としての正体を晒して行く。
「くっ、ふふ……! これが我が『戦争』の結末、か……! 見事なり、type-α……!」
そして、ふらつくように後退りしながら、自身の敗北を認めた彼は。自分を打ち倒したtype-αに禍々しい笑顔を向け――力無く倒れ伏したのだった。
「ふん……『戦争』、か。随分と、面倒でちっぽけな『戦争』があったものだ」
そんな彼の姿を見届け、崩れるように尻餅を着いたtype-αは――吐き捨てるように呟き、仮面を外す。そして軍用の止血剤で血を止めながらも、勝利の味を噛み締めるように、1本の煙草に火を灯すのだった。
◆
――そして、同時刻。放送局の入り口前で黒死兵の群れと交戦していた他の新世代ライダー達は、彼らに起きた「異変」を目の当たりにしていた。
これまで俊敏な動きでライダー達を翻弄していた黒死兵達だったが、その「切れ」が急に鈍り始めていたの
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