特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第18話
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んて……どこまでも、哀れな人ですことっ……!」
そんな彼女の双眸に滲む、深い憐れみの色は。闘争の世界でしか生きられなくなった、かつての少年兵を視るほどに、色濃くなっていた――。
◆
試作量産型のスーツであるマス・ライダーのテスト装着員。
その「代表」として仮面ライダーRCと対峙している山口梶は、満身創痍になりながらもしっかりと両の足で立ち、超えねばならない宿敵を見据えている。
「ヴ、ァア、アァアァッ……!」
「はぁ、はぁッ……! やっぱり、コイツのパワーは次元が違うッ……!」
だが、圧倒的なパワーにモノを言わせる激しい殴打を立て続けに浴びていたマス・ライダーの装甲は、すでに限界に達していた。対して、濁った機械音を発し続けているRCはほとんど消耗していない。
LEPを搭載している後方の兵員輸送車と、そこからRCに繋げられている制御コード。それが仮面ライダーRCの「弱点」であることは梶もすでに看破している。
だが、いくら鈍重とはいえ易々と敵に背後を取らせるようなRCではない。制御コードの範囲内しか動けないと言っても、彼との接近戦になればマス・ライダーに勝ち目はないのだ。
コードが届かない遠距離からLEPを攻撃しようと試みたこともある。だが距離を取った瞬間、RCは地面のコンクリートを引き剥がして投げ付けて来るのだ。
その速度と威力、そして精度は凄まじいものであり、遠距離で戦うことも困難となっていた。制御コードの範囲内でしか動けない彼だが、その欠点を力技で補えてしまうほどのパワーがある以上、「弱点」を狙うことも叶わなくなってしまう。
このままでは、疲れ知らずのRCに決定打を与えられず、力で押し切られるのは必至。その前に決着を付けなければ、マス・ライダーは役立たずという結果だけが残される。
それだけは回避せねばならない。梶はその一心で思考を巡らせ――ある一つの「策」に辿り着く。
(……いいや、今さら何を驚くことがある? まともにやり合って勝てる相手じゃないってことくらい、戦う前から分かり切っていたことじゃないか!)
否。それは、今になって辿り着いた「策」ではない。
彼はそれ以前から薄々、その「策」でなければRCには勝てないと気付いていた。
気付いた上で、気付かぬフリをしていたに過ぎない。
――どこにでもいる新人警官だった山口梶が、マス・ライダーのテスト装着員として選定されたのは。能力的にも人格的にも尖っている部分が無い、良くも悪くも「平凡」な人間だったからだ。
「誰もが使える」ことを目指したマス・ライダーを装着する者としては、うってつけのモデルケースだったからだ。
それは他ならぬ梶自身が、誰よりも理解していることだった。自分には特別な資質など何
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