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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第17話
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ルギー弾を撃ち込んで見せた技量と度胸。それは紛れもなく、始祖怪人を超えた人間ならではの底力であった。

「ぐ、ふふっ……見事だ、上福沢幸路。これが私の……『ケジメ』、なのだなっ……!」
「あぁ……そういうことだ。落とし前は……付けさせてもらったよ、福大園子」

 自分達を超えるという言葉が虚勢の類ではなかったことを証明して見せたGNドライブに、最後の力を振り絞って賛辞を送った福大園子は。一片の悔いも残すことなく、倒れ伏したのだった。

 ◆

「ぐぅううッ……!」

 ただ両脚で立つのがやっとの状態だった仮面ライダーターボは、勢いを増して行くトライヘキサの猛攻に押されるがまま、防戦一方となっていた。
 精神が肉体を凌駕しようとも、やはり根本的な実力差は覆せないのか。両手の爪による斬撃と、10本の角による刺突の嵐を浴び続けた装甲服は傷だらけになっている。

「俺は……もう何も失わない。何も失いたくないッ! だからこそ奪い尽くすのだ、奪われる前にッ!」

 猛攻に次ぐ猛攻。その果てに両肩を掴んでターボを押し倒したトライヘキサは、ついに「とどめ」を刺そうとしていた。
 7つの頭が同時に大顎を開き、強靭な牙を剥き出しにしている。このままターボこと本田正信の肉体を、装甲服もろとも喰らい尽くすつもりなのだ。

 ――かつて彼の「先輩」を殺した時のように。

「……そうやって貴様達は、奪い続けて来たんだな。だが、それで貴様達は何を得た! 何か一つでも、失ったものを取り返せたのかッ!」
「……!」

 だが、その絶望的な状況下でもなお、ターボは諦めず手を伸ばし――7つある頭のうちの2つを掴み、抗い続けていた。残る5つの頭に両腕を噛まれ、鮮血が噴き上がっても、その力は全く緩んでいない。

 そんな彼の雄叫びに、トライヘキサは思わず怯んでいた。
 何も得られず、奪うことだけを繰り返してきた数十年間の人生。その虚しさを抉る彼の言葉が、牙の威力を落とし始めていた。

「俺も……貴様の手で、大切な人を喪った。それでも、貴様のようにはなるまいと……この連鎖に抗うと決めたんだ! 俺は貴様とは違う! 俺は……奪わせないために戦うッ!」
「そんなことが出来るものかッ! 人間如きに何が出来るッ! 貴様如きに、何がぁあぁあッ!」

 それでも、これまでの人生を無駄にするわけには行かない。それでは、何のために奪い続けてでも生きて来たのか、分からなくなる。
 その慟哭を殺意に変えて、トライヘキサはターボの両腕を食い尽くそうと牙を突き立てる。装甲を破り、肉に食い込んだ牙から噴き出して来る血潮が、彼の視界を覆い尽くしていた。

 それ故に彼は、見逃してしまったのである。
 ターボが足裏に備わるエンジンの出力を最大限に高め、|必殺の蹴
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