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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第16話
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ッ……! この、死に損ないがァッ!」

 反重力光波は連発出来ない。2発目は間に合わない。それでもアルコサソは怯むことなく、刺突が可能な間合いに入った瞬間、馬上槍の切っ先を突き出していた。
 その刃先を払うため、EXはそこに向けて刃の付いた踵でのローリングソバットを放つ。

「往生際が悪いなァッ……! 女らしい(・・・・)淑やかさってものがないね、君ッ!」
「……この期に及んで戦う相手に淑やかさを求めるとは、随分と女々しい(・・・・)男だなッ!」

 女のような男である「男の娘」。男のような女である「男装の麗人」。
 両者は互いに吼え、それぞれの刃をぶつけ合う。馬上槍の先端と、踵の刃を振るうローリングソバットが激突し――その両方の刀身が、粉々に砕け散る。

「やっぱり君は……!」
「どこまでもッ……!」

 ――気に食わないッ!

 そんな2人の叫びが共鳴する。だが、まだ終わりではない。

 EXはその勢いのままアルコサソの頭上に跳び上がり、スラリと伸びた長い脚を振り上げる。残されたもう片方の踵の刃を活かした、踵落としの体勢に入ったのだ。

 対するアルコサソも最後の力を振り絞り、白のマントを翻して防御姿勢に移ろうとしていた。密かに再生させた触手の毒針と、右腕から再び伸張させた爪で、起死回生のカウンターを仕掛けるために。
 そして、マントに隠されたその爪の先端部は――妖しい輝きを宿していた。

(久我峰警部、君は実に素晴らしい「素体」だ……! 君ほどの戦士なら必ず、最高の「怪人」になれるよ……!)

 アルコサソの爪は単なる武器ではなく、人間の肉体を改造する遺伝子操作ビームを発射することも可能なのだ。彼はこれまで、多くのシェード隊員達をその光線で「怪人」に仕立て上げて来たのである。

 生身の人間でありながら、始祖怪人である自分をここまで追い詰めた仮面ライダーEX――久我峰美里。
 ただでさえ強い彼女が改造人間の力を手にすれば、一体どれほどの怪物が誕生するのか。数多の改造手術に手を染めて来たアルコサソだからこそ、その可能性に興味を持たずにはいられなかったのである。

(さぁ、仕掛けておいで……! 君の刃を凌いだら、その瞬間にもう一度神経毒で動けなくしてあげる! そこから先は、公開改造ショーの始まりさ……!)

 触手の毒針で短時間でもEXの動きを止めれば、後は遺伝子操作ビームで即座に彼女を改造することが出来る。
 例えその後、人智を超えた怪物と化した彼女に嬲り殺されるのだとしても、本望だと言える。むしろ、自分の全てを賭けて作り出す最後の怪人になるのだから、それくらいでなければ。

 ――EXの底力に魅入られたことで、そのような狂気に囚われていたアルコサソは、白マントの下で妖しく牙を研い
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