特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第16話
[4/6]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
ッ……! この、死に損ないがァッ!」
反重力光波は連発出来ない。2発目は間に合わない。それでもアルコサソは怯むことなく、刺突が可能な間合いに入った瞬間、馬上槍の切っ先を突き出していた。
その刃先を払うため、EXはそこに向けて刃の付いた踵でのローリングソバットを放つ。
「往生際が悪いなァッ……! 女らしい淑やかさってものがないね、君ッ!」
「……この期に及んで戦う相手に淑やかさを求めるとは、随分と女々しい男だなッ!」
女のような男である「男の娘」。男のような女である「男装の麗人」。
両者は互いに吼え、それぞれの刃をぶつけ合う。馬上槍の先端と、踵の刃を振るうローリングソバットが激突し――その両方の刀身が、粉々に砕け散る。
「やっぱり君は……!」
「どこまでもッ……!」
――気に食わないッ!
そんな2人の叫びが共鳴する。だが、まだ終わりではない。
EXはその勢いのままアルコサソの頭上に跳び上がり、スラリと伸びた長い脚を振り上げる。残されたもう片方の踵の刃を活かした、踵落としの体勢に入ったのだ。
対するアルコサソも最後の力を振り絞り、白のマントを翻して防御姿勢に移ろうとしていた。密かに再生させた触手の毒針と、右腕から再び伸張させた爪で、起死回生のカウンターを仕掛けるために。
そして、マントに隠されたその爪の先端部は――妖しい輝きを宿していた。
(久我峰警部、君は実に素晴らしい「素体」だ……! 君ほどの戦士なら必ず、最高の「怪人」になれるよ……!)
アルコサソの爪は単なる武器ではなく、人間の肉体を改造する遺伝子操作ビームを発射することも可能なのだ。彼はこれまで、多くのシェード隊員達をその光線で「怪人」に仕立て上げて来たのである。
生身の人間でありながら、始祖怪人である自分をここまで追い詰めた仮面ライダーEX――久我峰美里。
ただでさえ強い彼女が改造人間の力を手にすれば、一体どれほどの怪物が誕生するのか。数多の改造手術に手を染めて来たアルコサソだからこそ、その可能性に興味を持たずにはいられなかったのである。
(さぁ、仕掛けておいで……! 君の刃を凌いだら、その瞬間にもう一度神経毒で動けなくしてあげる! そこから先は、公開改造ショーの始まりさ……!)
触手の毒針で短時間でもEXの動きを止めれば、後は遺伝子操作ビームで即座に彼女を改造することが出来る。
例えその後、人智を超えた怪物と化した彼女に嬲り殺されるのだとしても、本望だと言える。むしろ、自分の全てを賭けて作り出す最後の怪人になるのだから、それくらいでなければ。
――EXの底力に魅入られたことで、そのような狂気に囚われていたアルコサソは、白マントの下で妖しく牙を研い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ