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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第16話
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げるアルコサソは俯せで顎を地に付け、ぷりんっと尻を突き上げる体勢になって尻を振り続けながら、痛みに耐えるようにぷるぷると身を震わせている。

「貰っ、たァァアッ!」
「こ、のおぉおッ!」

 そこまで接近された状態では、馬上槍で再び刺し貫くのも難しい。突き出した尻に追撃を受けそうになっていたアルコサソは、身を翻してEXの両肩を掴むと、顎部(クラッシャー)の牙を開いて彼女の頭を噛み砕こうとする。

「ぐぅッ!? う、ぅあぁあっ……!」
(このまま噛み砕いて……ッ!?)
「僕は負けない……! 君にだけは、絶対にッ!」

 だが、その牙がEXの仮面を貫通して、美里の頭に届く前に。彼女のパンチを下顎に受け、脳を揺さぶられたアルコサソは大きく体勢を崩されてしまう。

「あがぁっ……!?」

 その衝撃に仰け反りながらも、なんとかバックルから馬上槍を引き抜いたアルコサソは、追撃の刃を柄で防御しながら、後方に飛び退いて間合いを確保して行く。

 ここに来て彼は、この戦いで初めて「後退」したのである。その最大の隙を、EXが見逃すことはなかった。

 後ろに下がるという行為は、正面に対する攻撃の勢いを殺すことに繋がる。
 そこに勝機を見出したEXは、牽制のために放たれた触手を肘で斬り払いながら、アルコサソの懐に飛び込んで行く。だが、一方的に攻め立てられるだけの始祖怪人ではない。

「ボクのそばに……近寄るなァァーッ!」
「うっ、ぐ、あぁああッ!」

 馬上槍の先端から発せられる反重力光波。その妖しい輝きに飲み込まれたEXの身体が、ふわりと浮き上がって行く。
 アルコサソはそんな彼女を弄ぶかの如く、槍の先端を揺らして光波を制御し、EXの尻を持ち上げるようにその身体を何度も空中で後転させていた。

「あぅっ、こ、これは……はぁぁぁうっ!?」
「もうお遊戯の時間はお終いだよ、久我峰警部……! そぉおおらっ!」

 だが、それは「お遊び」の類ではなく――回転により発生する運動エネルギーを、「衝撃力」に変えるための予備動作なのだ。
 さらにアルコサソは槍の先端を振るい、EXを振り回すように、何度も彼女の身体を空中で往復させて行く。

「……でぇえーいッ!」
「がはぁあッ……!」

 そして、槍の切っ先が勢いよく振り下ろされた瞬間。それに比例してEXの身体も地面に叩き付けられてしまうのだった。
 全身に亀裂が走った装甲服の惨状と、そこを中心に広がる地面のひび割れが、その威力を物語っている。

「ま、まだ、だァアッ!」
「……ふ、不死身なのっ!?」

 それでも、EXは立ち上がって来た。そのボディは誰の目にも明らかなほどにボロボロだというのに、彼女はそれでもアルコサソに向かって来たのである。

「く
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