特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第16話
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アルコサソの後頭部付近に備わっている触手と、その先端部に仕込まれた毒針。
装甲を貫通して打ち込まれたその神経毒は、確実にEXを体内から蝕んでいた――はずなのだが。
「ん、はぁっ……! はぁ、あ、んっ……!」
毒性怪人対策として、ライダー達が事前に注射していたワクチンが、その症状を抑え込んでいたらしい。臀部に神経毒を突き刺されていたEXは、アルコサソに対して尻を向けるように前屈みになった体勢のまま、全身を襲う痺れに苦悶の声を上げている。
それでも――仮面の下で艶かしく頬を上気させていたEXこと美里は、両脚を震わせながらも地を強く踏み締めている。やがて彼女はアルコサソの方へと向き直り、肘と踵から伸びる強化装具の刃を構え直していた。彼女はまだ、戦うつもりなのだ。
(人間辞めてるのは、そっちの方なんじゃない……!?)
そんな彼女の、常軌を逸した尋常ならざる「執念」に、アルコサソは驚愕を露わにしている。もし今が変身前の状態だったなら、その可憐な貌を引き攣らせていたところだろう。
精神が肉体を凌駕することなど、科学的にはあり得ない。その確信を、揺るがされているのだ。
「神経毒は間違いなく打ち込んだはずなのに……それでも動けるなんて、ボクらよりも怪物染みてるねぇ!」
「う、ぐ、ぅうぅっ! はぁ、ぁうっ……! そ……そうだとも。僕達は……人間は強いのさ。上辺だけの強さに囚われた、君達のような怪人よりも……よほどねッ!」
臀部上方の尻尾先端に付いたラッパ状の部分。そこから放たれる音波攻撃に一度は倒れ伏し、尻を突き上げながら耳を塞いで苦悶しながらも――気力を振り絞って立ち上がったEXは、両肘の刃で斬り掛かって来た。
「甘いッ!」
「ぐぅうぅうッ……!」
飛び道具を持たない彼女に対して有利な間合いを保つため、アルコサソはさらに音波攻撃の「ギア」を上げ――最大出力の衝撃波を放ったのだが。
「……とあぁあぁぁッ!」
「なッ……!?」
一度吹っ飛ばされたEXは空中で後転して受身を取り、着地と同時に地を蹴って再び突っ込んで来る。回転の際に向けられた尻に気を取られる暇もなかった。
予想外の挙動で不意を突かれたアルコサソは、咄嗟に右腕の爪で防御するも、EXの両肘による斬撃を受けた箇所に亀裂が走ってしまった。
(なんて馬鹿力ッ……!)
これ以上、EXの攻撃を爪で受けるのは不味い。そう判断したアルコサソは即座に爪を腕部に収納し、バックルから馬上槍を引き抜こうとしたが――間に合わず、側面に飛び込んで来たEXの刃で、尻尾を根元から切り落とされてしまった。
「ぐわぁあッ!? あ、あぅうぅう〜っ……!」
「もうその技は使えないねッ……!」
尻を押さえながら悲鳴を上
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