特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第15話
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ストに就いたのだ。……俺達を売った功績で、な。柳司郎の後輩に当たる男だからと、気を許すべきではなかった」
番場惣太への憎悪を語る彼らに対し、満身創痍のオルバスとΛ−Dは震える両足で立ち上がり、戦いを続けようとしている。
それと時を同じくして――他の階や、放送局の外で倒れていたライダー達も、懸命に立ち上がろうとしていた。
「……それが、総監の意志を継いだ俺達との決闘を望む理由か? 逆恨みも甚だしいな」
「番場総監が尊敬していたのは、警察を辞める前の……まだ人間としての誇りを捨てていなかった頃の羽柴柳司郎だ。貴様達の知る、『羽々斬』としての奴じゃあない……!」
番場惣太と羽柴柳司郎の関係と過去を知る彼らは、傷だらけになりながらも痛みに屈することなく、勇ましげに吼えていた。
そして、それと同じ旨の言葉を――屋上でエインヘリアルと戦っていたケージも、叫んでいたのである。彼の言葉を浴びた老兵は、不遜に鼻を鳴らしていた。
「……誤解を招いたようで済まないが、これでも奴には感謝しているのだよ。お行儀の良い公認組織のままでは、我々はこの能力の有効性を証明出来ずに朽ちて行くのを待つばかりだったのだからな」
「一体、それで……何が得られるんだ。何が望めると言うんだッ……!」
「得る物も望む物も、今さら必要あるまい。清山と柳司郎が斃れた日から……我々もすでに、死んでいるのだ」
滅びることを厭わぬ死兵の群れ。失うものを持たない怪物達。そんな始祖怪人の有り様を目の当たりにしたケージは、筆舌に尽くし難い怒りに拳を震わせている。
それは、エインヘリアルと同様の発言を他の始祖怪人達から聞かされていた、各地のライダー達も同じであった。
「その屍人が蘇ったことに意味があるとするならば……それは今一度、己の存在意義を示すためであることに他あるまい。我々の時代が始まった、この日にな」
「そんな悲し過ぎる理由で……こんなことを始めたのか!」
「悲し過ぎる? 面白い、この我々を……お前達人間風情が憐れむというのか? これほどの力の差を見せられてもなお……自分達を、憐れむ側と捉えるか」
ケージの慟哭を耳にしたエインヘリアルは高らかに嗤い、両手のブレードを静かに構える。今度こそ確実にとどめを刺す、と言わんばかりに。
そしてケージも次が最後だと覚悟を決め、拳を構えるのだった。各々の場所で始祖怪人達と対峙している他のライダー達も、同様の決意で攻撃体勢に入ろうとしている。
「……良かろう。決して退かぬその理由、『誇り』故か『慢心』故か……見定めてやろう」
「どちらだろうと関係ない……! 俺は……俺達は絶対に諦めんぞ、始祖怪人ッ!」
失うものなど無い、死兵の群れか。守るべきものを背負う、正義の使者か。
雌雄を決する最後
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