特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第14話
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Dは、背後に立つ「最も優秀な部下」に声を掛ける。
「……鳥海。ここはウェルフリットと俺に任せて、お前は屋上を目指せ。この上に多数の生命反応がある。恐らく人質は、そこに集められている」
「しかし、明日凪警部補……!」
「心配するな。俺達は勝つ。例え相手が、50年近くの戦闘経験を持つ始祖怪人であろうとも……それでも俺達は、『仮面ライダー』だ。不可能を可能にする力がある者達だ。それを見失うな」
「そういうわけなんで……人質の救出は頼みましたよ、穹哉さん! ありがた〜く、美味しいところ持って行っちゃってくださいッ!」
「忠義……あぁ、分かったッ!」
Λ−Dとオルバスの激励に背を押され、鳥海穹哉こと仮面ライダーケージは一気に走り出し――レッドホースマンとカマキリザードの頭上を飛び越えて行く。天井にぶつからないギリギリの高さで跳んだ彼は床を転がりながらも、すぐさま立ち上がって屋上を目指し始めていた。
だが、2人の始祖怪人は全く意に介さず、自分達が狙いを定めた好敵手にのみ目を向けている。それは、彼らと相対しているライダー達も同様だった。
「……覚悟は良いな?」
「……こちらの台詞だ」
カマキリザードとΛ−Dが交わした、短いやり取り。それが決戦の火蓋を切る合図となり、この階に集まった戦士達は同時に走り出して行く。
穹哉ことケージは苛烈な剣戟の音を耳にしながらも、躊躇うことなく階段を駆け上がって行った。屋上で彼を待ち受ける「最恐」の殺気は、もうすぐそこに迫っている――。
◆
オルバス達と別れ、さらに上階へと駆け上がって行く青の戦士。やがて、最後の扉を抜けて屋上に出て来た彼の視界に、広大な夜景が飛び込んで来る。
そこは12年前、織田大道と対峙した吾郎がシェードに対する叛逆を宣言した始まりの場所であった。
そして今、屋上の端から人々の喧騒を見下ろしている最後の始祖怪人が――ケージの方へと向き直った。
「……俺の部下だった織田大道は、最期の瞬間までシェードに忠実だった。少々、お遊びが過ぎるところもあったが……それでも、嫌いではなかったよ」
「貴様は……!」
そこに佇んでいた野戦服姿の老兵――山城一ことエインヘリアルは、妖しい輝きを放つ紅い双眸で、ケージを見据えていた。彼の傍らに転がっている多くの職員達は、猿轡をされたまま縛り上げられている。
両手の小指をブレード状に変形させた彼は、その刃を素早く振るい――職員達の縄を全て断ち切ってしまうのだった。目的である「仮面ライダー」が現れた今、「餌」に過ぎない人質など不要なのだろう。
「……失せろ。巻き込まれんうちにな」
「ひ、ひぃいぃ……!」
その冷酷な言葉と目付き
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