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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第13話
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中――その渦中で「余波」の猛風を浴びているブレイズキャサワリーは、東方百合香(ひがしがたゆりか)こと仮面ライダーアルビオンと対峙している。

「……まさか、一度は仮面ライダーGに倒されたはずの貴様が、再び私の前に現れる日が来ようとはな。不謹慎を承知の上で言わせて貰うが……柄にもなく、神様とやらにも感謝したい気分だ」
「その声……お前、SATに居た女か。あの時の死に損ないが、仮面ライダーの1人になっていたとは驚きだ」

 1990年代に設置された、対テロ特殊急襲部隊「SAT」。その隊員として旧シェードの暴虐(テロ)に挑んでいたかつての百合香は、ブレイズキャサワリーの爪によって大勢の仲間達を喪った過去を秘めていた。

「今度こそ……貴様には何一つ奪わせん。貴様が重ねて来た所業の数々に……相応しい『敗北』をくれてやるッ!」
「……命よりも矜持、か。嫌になるぜ、昔の俺を見ているようでなァッ!」

 数年前の因縁が、2人を再び引き寄せたのか。剛拳を備えた戦乙女とヒクイドリの怪人は、決着を付けるべく――拳と爪を交わし、「一騎打ち」を開始する。

 そして、拳打と蹴撃の応酬が始まった頃。
 悍ましい異形の姿を晒し、この場に現れたケルノソウルは――感慨深げに、仮面ライダーUSA(ユナイテッドステイツ)のスーツを纏うジャック・ハルパニア大尉と相対していた。

「逞しくなったわね、ジャック。成長したあなたを一目見られただけでも、ここに来た意味があったわ」
「……ソコロフ。やはり、あんたも蘇っていたんだな」

 対テロ組織としての「シェード」が誕生する前からの「旧知の仲」だった2人は、これから果たし合いを始める敵同士とは思えないほどに、穏やかな声色で言葉を交わしている。だが、それは初めのうちだけ。
 ジャックの方は徐々に、深い悲しみと失望、そして怒りを滲ませた声を漏らし始めていた。

「未熟な新兵だったあなたが、今や歴戦の仮面ライダー……か。悪戯に長く生きていると、時間の流れも早く感じられるわね。覚えているかしら? 昔のこと」
「……あぁ。18年前のイラク戦争のことは、今でも昨日のことのように覚えている。あんたは……小隊が壊滅して孤立状態になっていた俺を、あの弾雨から救い出してくれた。誰もが化け物だと罵ったあんたの姿が、俺にとってのヒーローだった」

 ――2003年に中東で勃発したイラク戦争。当時22歳の新兵だったジャックはその戦地で、傭兵として参加していたプリヘーリヤ・ソコロフと出逢っていた。

 異形の怪人(ケルノソウル)に変身した時の彼女の姿は、誰もが化け物だと叫ぶほどに悍ましいものだったのだが。そんな彼女に命を救われたジャックだけは、決してソコロフをそのような眼では見なかったのである。

 普段こそ、荒事と
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