特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第13話
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ZEGUN達に屋外の始祖怪人達を任せ、放送局の内部へと突入した新世代ライダー達。階段を駆け上がった彼らが次に辿り着いたのは、報道関係の情報を扱うニューススタジオだった。
吾郎が日向恵理のワインを口にしたことで人間としての記憶を取り戻し、「愛」に目覚めた場所。
その運命的な場所で彼らを待ち構えていた始祖怪人達は、ゆっくりと新世代ライダー達の方へと向き直って来る。
「思い出すなァ……。12年前、俺の部下……『ナオヤ』がここで、No.5に殴り倒されたんだ。あの瞬間もしっかり中継されてたからなァ……よォく覚えてる」
織田大道によるテロの現場となっていたニューススタジオ。その床を感慨深げに踏み締めていたのは――Dual ability transplant test body、Dattyだった。
可愛がっていた自身の部下が、No.5こと吾郎に倒される瞬間。その光景を鮮明に記憶していた剛拳の怪人は、黄昏れるように天井を仰いでいる。
「……あんたの試合はガキの頃から再放送でよく観てたよ、間柴健斗。もう少し早く生まれてたら、あんたの試合を生で観られてたのに……って、何度思ったか分からねぇくらいだ」
そんな彼の背に声を掛けたのは――南義男が変身する、仮面ライダーボクサーだった。
幼少の頃から間柴健斗の試合を観て育って来た彼は、憧れのプロボクサーの変わり果てた姿に、怒りとも悲しみともつかない声を漏らしている。
自分が生まれる前から、自分にとってのヒーローだった男は今。何としても倒さねばならない、怪人と化していたのだから。
一方、プロボクサー時代の自分を知る者が現れたことに少しだけ驚いたDattyは、興味深げにボクサーの方に振り向いていた。仮面に隠されたその貌はすでに、獲物を見つけた猛獣のそれとなっている。
「ほぉ……? 世代でもねぇのに昔の俺を知ってるとは、随分と熱心なファンボーイじゃねぇか。何なら記念に握手でもしてやろうか? 仮面ライダー」
「……いいや、結構。こうなっちまったからには……俺は警察官として、あんたに手錠を掛けるだけさ。ガキの頃、いい夢見させてもらった礼だ……1発KOで終わらせてやる」
Dattyという怪人がこれまで繰り返してきた、凄惨な殺戮の数々。その全ての記録を目にした上でこの場に現れたボクサーは、万感の思いを込めて拳を震わせていた。
憧れの男を超えるため。シェードの悪夢を絶ち、全ての犠牲者達に報いるため。そしてこれ以上、自分のような思いをする者を出さないため。
南義男は過去を振り切り、Dattyと対峙する。
「ハッ……いい歳こいて夢見がちなガキが、拳闘で俺と張り合うつもりか? いいぜぇ、掛かって来なファ
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