特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第8話
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砲するも、やはり通じる気配はなかった。
怪人達の中でも特に優れた防御力を持っているRCの装甲は、戦車の砲撃にも耐え得るのだ。歩兵の携行火器など、通じるはずがないのである。
「ダ、ダメだ……やはり銃が通じていないッ! に、逃げねば……少しでも遠くに逃げねばぁッ!」
やがて自動拳銃の弾も尽き、隊長格の男は踵を返して真逆の方向へと逃げ出して行く。だが、RCは彼を追おうとはしなかった。
「……ん!? 奴が、追って来ない……!?」
否、追えなかったのである。LEPを積んだ兵員輸送車から有線コードで繋がれているRCは、そのコードの長さよりも遠い場所には行けないという欠点があるのだ。
動き自体が鈍重なこともあり、RCは隊長格の男に手を伸ばすのが精一杯となっていた。そんな彼の弱点を思わぬ場面で発見した隊長格の男は、恐怖から解放されたように頬を緩ませる。
「まさか、奴の背部に接続されているのは制御コード……なのか!? ははっ、脅かしおって! ならばコードの長さまでしか動けん木偶の坊ではないか! はははははっ!」
有線コードの長さが移動範囲の限界であるなら、それより遠くに離れてしまえば何も出来ない。そんなRCを嘲笑う男の声が、この戦場の夜空に反響していた。
それが致命的な「油断」であることにも、気付かないまま。
「ほう? 俺のところまで戻って来るとは、なかなか肝の据わった野郎じゃねぇか。見直したぜ」
「はっ……!?」
気付いた時には、すでに隊長格の男は――背後に立っていたDattyに、後ろ襟を摘み上げられていたのである。
そう、この男はRCから逃れようとするあまり、自らDattyの方に近付いてしまっていたのだ。抵抗する暇もなく宙に浮いてしまった男の脚は、地面に着くことすら叶わなくなっていた。
「うぉあぁあッ!? は、離せッ! 離さんかァァッ!」
「そう騒ぐなって、すぐに離してやるさ。……アイツの前に、な」
「ひ、ひぃぃいッ……!」
「お前のガッツを見込んで、第2ラウンドを用意してやろうってんだ。感謝しろよ?」
必死に手足を振り、身体を揺らし、後ろ襟を摘んでいるDattyの手から逃れようとする。だが、兵士の頭を容易く握り潰し、戦車をパンチ1発でひっくり返してしまうDattyの腕力から逃れる術などない。
「や、やめろ、私の前にアイツを寄せるなぁあぁぁーッ! 離せ離せ、離してくれぇえーッ!」
「だったら勝てば良いんだよ。何としても生き延びるんだろ? せいぜい頑張りな、大将」
少しずつ近付いて来る、「処刑」までの時間を楽しむかのように。Dattyは敢えてゆっくりと、摘み上げた男の身体をRCの前へと運んでいた。
「ヴァ、ァァア……!」
「ひっ、ひぎゃあぁあ
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