特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第8話
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ざめた顔で遠くを見据え、ただひたすら走り続けていた。
自分達に砲撃を命じた上官が、すでに柳司郎の手で討伐されていることも知らずに。彼は必死に胸元の無線機で、ザンと連絡を取ろうとしている。
そんな中、彼の目にあるものが飛び込んで来た。身に覚えのない兵員輸送車が無造作に残置されていたのである。
「兵員輸送車……!? 無人のようだが……我が軍の車両ではないな、奴らのものか!? しめた、この輸送車を奪えば奴らの追撃からも逃れられる!」
かつてアメリカ軍で運用されていた、M59装甲兵員輸送車。国防軍では採用されていないその車両が、柳司郎達が所有しているものであることは明白だった。
幸いにも、この車両から人の気配は感じられない。これを奪えば、炎の海を抜けて戦場から離脱することも出来るはず。
「死んでたまるものか、死んでたまるものかッ! 私は何としても、絶対に生き延び――!?」
隊長格の男はその可能性に賭け、藁にも縋る思いで運転席に駆け寄ろうとする。
だが、その時――突如として車体後部のハッチが開かれ、そこから1人の怪人が現れたのだった。予期せぬところから姿を見せた伏兵に、隊長格の男は声にならない悲鳴を上げる。
別の世界において、「仮面ライダー1号」と呼ばれている始まりの戦士。その外見に酷似しつつも、無機質な鈍色で統一されている機械的なボディ。
その全身の各部から生えている無数のコードは、ハッチの奥に設けられている巨大なコンピューターに繋がれていた。
そんな外観を持つ「仮面ライダーRC」は、この兵員輸送車の中から静かに外敵を待ち構えていたのだ。
2年前、徳川清山が旧ナチスの地下基地で発掘した、「古代超文明のオーパーツ」を中枢に組み込んで開発した自律機動システム「LEP」。その頭脳部に当たる大型のスーパーコンピューターが、この兵員輸送車に搭載されている。
仮面ライダーRCは、そのLEPが自己防衛用として操作している人型の外部端末なのである。
大型故にLEPのスーパーコンピューターは、輸送車に積まなければ動くことが出来ない。そしてコンピューターであるが故に、そのままでは外敵に抗する術がない。
その問題をクリアするために生み出された鋼鉄の番人が今、隊長格の男の前に現れているのだ。
「……ヴヴ、ア、ァ……」
「ひ、ひひぃっ!? 奴らの仲間か!? ええい、そこを退けッ! 私は何としても、ここから生き延びるのだァァアッ!」
隊長格の男は無我夢中で突撃銃を連射するが、濁った機械音声を発しているRCのボディには傷一つ付かない。
その弾薬が尽きるや否や、副兵装の自動拳銃をホルスターから引き抜き発
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