特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第8話
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怪人達の手によって繰り広げられている、非力な愚者達に対する制裁という名の殺戮。その惨劇に悲鳴を上げる兵士達の断末魔も、徐々に少なくなって来ていた。
ハイドラ・レディやアルコサソとの交戦を免れた兵士達も、結局は他の怪人と遭遇し、無惨な最期を遂げる運命にあるのだ。その運命から逃げられる者など、1人もいない。
「ぐぎゃ、ぁッ!」
真紅の堅牢な装甲で全身を固めている怪人に、頭を掴まれてしまった兵士も。まるでトマトのように、ぐちゃりと頭部を握り潰されていた。
鮮やかな蒼色のまだら模様が浮かんでいる両腕は逞しく肥大化しており、怪人の握力の凄まじさを物語っている。「仮面ライダー」を想起させる青い複眼を持つその怪人は、慄く他の兵士達にその凶眼を向けていた。
「……おいおい、張り合いがねぇなァ? そんなことじゃあ、俺の身体には傷一つ付けられねぇぜ?」
――Dual ability transplant test body、通称「Datty」。それが「二重能力移植試験体」という意味を持つ、この怪人の名であった。
そのコードネームを背負う間柴健斗は、怯える兵士達を嘲笑うような声を上げている。褐色の肌と、短く刈り上げた黒髪を持つ巨漢は、その本来の姿をこの外骨格の下に隠していた。
モンハナシャコのパンチ力とタスマニアキングクラブの握力を移植したこの怪人は、柳司郎をはじめとする怪人達の中でも屈指の格闘能力を持っている。
当然ながら、接近を許した生身の兵士達に勝ち目などあるはずもない。
「ひ、ひぃいッ……!」
「くそッ、奴と正面から対峙するな! 遮蔽物から隙を窺えッ!」
それでも残った兵士達は、この地獄からの生還を諦めてはいなかった。彼らは牽制射撃を続けながら、大型戦車の陰へと逃げ込んで行く。
ケルノソウルの火炎放射によって内側から蒸し焼きにされ、今は無人となっている大型戦車。事実上の「残骸」とはいえ原型はそのままであり、装甲も健在。怪人の攻撃を凌ぐ遮蔽物としては有効と判断したのだろう。
「くっ、はははは……! それで安全な場所に逃げ込めたつもりかァ? いいぜぇ、だったら冥土の土産に面白えモン見せてやるよ」
「な、なにッ……!?」
だが、Dattyはそんな彼らの懸命な「判断」さえ嘲笑している。彼がその肥大化した右腕を構えたのは、それから間も無くのことだった。
「そぉお……るぁあぁあッ!」
勢いよく振り抜かれた、改造人間の剛拳。その圧倒的なパワーで繰り出されたアッパーが、大型戦車の巨大な車体を浮き上がらせてしまったのである。
そして浮き上がった車体は、後方に向かって大きく弧を描き――転覆しようとしていた。
「せ、戦車が、浮いッ……!?」
「う
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