特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第7話
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恐怖に歪んだ表情を浮かべながら、崩れ落ちて行く兵士達。その骸を一瞥した後、次の「標的」へと目を向けた彼女は――再び無数の蛇頭を、容赦なく差し向けて行くのだった。
◆
ハイドラ・レディとの遭遇から免れた他の兵士達は、猛火に飲まれつつある森の中を必死に駆け抜け、我先にと戦場から離れようとしていた。隊長格の男も居ない以上、ここに残っても死ぬだけだと判断したのである。
「くそッ、くそッ! なんなんだよあいつら、どうしてこんなことになっちまってんだよッ!」
「とにかく走れ! あんな化け物共の相手なんかしてられるかよォッ!」
圧倒的な戦力差を目の当たりにした士気の低い部隊が、その愚行に走るのは火を見るよりも明らかだった。故に彼らの逃走先にも怪人達が待ち構えているのだが、そんなことは知る由もないのだろう。
「兵隊さん、助けてぇっ!」
「なっ……!?」
「子供!? なんでこんなところに……!」
その時、木々の影から1人の子供が飛び出して来る。助けを求めて現れたその子供はうるうると涙ぐみ、身を屈めた姿勢で兵士達に泣き縋ろうとしていた。
――だが、間違いなくツジム村の生き残りではない。その子供の外観は、明らかにこの国出身の若者のそれではなかったのだ。
膝まで伸びているローズピンクの髪。そのうち後ろ髪の殆どを、黒いリボンで1本の三つ編みにしつつ、残りを肩辺りで外跳ねにしている。左斜め前の一部の髪だけ、白のメッシュが入っており、頭の両サイドにも黒のリボンが結われていた。
? やや吊り目で、瞳の色はダークパープル。長めな八重歯が特徴の、ボーイッシュな美少女……のようにも見える、中性的な美少年だった。後の時代においては、「男の娘」と形容されることもある容貌だ。
しかも、尻の形が浮き出る程のタイトなマイクロミニスカと、臍を露出している扇情的な女装姿。男すら惑わす美貌の持ち主ではあるようだが……どう見ても、まともではない。
「ひぐっ、うぅうっ……! ボ、ボク、家に帰る途中でお母さんとはぐれちゃって……いつの間にかこんなところに来ちゃってて、森は燃えてるし怖い怪物がいっぱい居るし……! 怖いよぉ! 兵隊さん、助けてよぉっ!」
そんな彼は自分も怪物達の被害者だと主張し、兵士達に保護を求めている。彼らに真っ当な善性があれば、例え見た目が奇抜であろうとも泣きじゃくる子供を見捨てたりはしない。
だが、反政府ゲリラなど居ないことを承知の上で、ツジム村を躊躇なく焼き払えるような連中にその善性を期待出来るはずもなく。彼らは少年を「胸が小さな少女」と誤認したまま鬱陶しげに手を振り、少年の傍らを素通りしようとする。
「……ちっ、おいメスガキ! 俺達だって死にたくねぇんだ、撃ち殺されたくなきゃさっさと退
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