特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第6話
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「礼を言うぞ、波田。おかげで俺も戦馬も、楽に奴らを扇動出来た。そろそろ弾を再装填しなければならなかったからな……良い『暇』が出来たというものだ」
「それが清山様のご意志だからな。……私の『力』も命も、あのお方の大望を成就させるためだけに在る。私は所詮、それだけの存在。消耗品だ」
――1950年代から社会問題として顕在化していた、交通整備の不足に伴う事故の続出。「交通戦争」と呼ばれたその時代に生まれ合わせていた波田は、かつて交通事故で瀕死の重傷を負っていたことがある。
その時に彼を改造手術で救ったのが、当時の徳川清山だったのだ。人として蘇ることは叶わなかったが、彼は命の恩人である清山に忠誠を誓い、自ら改造人間の傭兵に志願していた。
それも全ては――改造人間の兵器としての有効性を全世界に発信し、浸透させるという清山の「大望」を成就させるため。彼はその野望を叶えるための「消耗品」として、戦場に身を投じているのだ。
「……これが本物の『戦争』、か。実に醜く、愚かな所業だ。弱き肉体にその魂を委ねているから、容易く闇に堕ちるのだよ……」
自身が人間だった頃に味わったものとは違う、比喩ではない本物の「戦争」。その惨状を目の当たりにしている彼は、憐れみの色を帯びた声を漏らしていた。
弱き肉体故の、弱き精神。その概念を体現したかのような兵士達の醜態は、彼の目にはより無様に映っているのだろう。
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