特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第6話
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体の内側を、満たしてくれる……」
故に、今の彼は徳川清山の尖兵として、重機関銃を撃ち続けているのだ。自分という存在の空虚さを、激しい銃声で掻き消し――己の存在意義を確かめるために。
そんな彼が薙ぎ払うように乱れ撃っている無数の銃弾は、1発たりとも外れることなく兵士達の肉を抉っていた。炎の灯りに照らされた血の海が、そこから無尽蔵に広がって行く。
炎に追い立てられるように紅衛校の前に現れた増援の兵士達は、その光景に青ざめるばかりだった。それでも彼らは何としても生き延びようと、行手を阻む巨漢に銃口を向けている。
「さぁ……お前達。お前達が真に撃つべき者に、その銃口を向けるが良い。本当は分かっているのだろう? 殺さねばならない敵が、誰であるか。どこに居るのか」
そんな彼らの方へと向き直った紅衛校は、敢えて重機関銃を下ろすと――まるで演説のように、高らかに声を張り上げた。
兵士達にとっての抹殺対象である紅衛校自身が、真の敵を撃てと言い始めたのである。
だが、彼の言葉を受けた兵士達が「何を馬鹿な」と一笑に付すことは――出来なかった。
「がッ……!?」
明らかに紅衛校のものではない銃弾が、笑い飛ばそうとしていた兵士の喉を撃ち抜いてしまったのである。
その際の銃声は間違いなく、国防軍の突撃銃が発したものであった。
そう――増援の兵士達の1人が、突然仲間に銃を向けたのである。紅衛校の言葉に操られている、としか考えられないような動きだった。
「な、なんだッ!? 今の銃撃は……奴の機関銃じゃないぞッ!?」
「き、貴様、気でも狂ったか!? 敵はあっち――がぁああッ!」
「こっ、この裏切り者がぁあ!?」
「なっ……!? お、おい待てッ! 今のは俺では……ぐわぁあぁあッ!」
そこから先はもはや、「自滅」に向かう一方となっていた。
猛煙に紛れて仲間を撃った「裏切り者」を特定出来ないまま、疑心暗鬼に陥った兵士達は互いに銃を向け合い、同士討ちを始めてしまう。
その現象は、すぐ近くで兵士達の混乱を目撃していた別の部隊にも起きていた。レッドホースマンも、自分を取り囲んでいる兵士達に挑発的な声を掛け始めたのである。
「ふふっ……よぉし、次はてめぇらを操ってやるよ。そら、あいつらを撃っちまいな。遠慮なんかいらねぇぜ?」
「な、なにィ……!?」
「ふざけるな、誰が貴様の言いなりになんか……ぐわぁあぁッ!?」
レッドホースマンの言葉に反発する兵士達だったが、すぐに彼らもその背に仲間達の銃弾を受けてしまっていた。
紅衛校と対峙していた増援部隊の混沌を目の当たりにしていた他の部隊が、「先手」を打とうとしたのである。それが「誤解」であることなど、知る由もないまま。
「あいつらも洗
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