特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第6話
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、トライヘキサは次の獲物を探し始めていた。
◆
ケルノソウルが吐き出した火炎は森を焼き、さらに激しく延焼して行く。
その渦中に取り残された兵士達も周囲から迫る炎熱に危機感を抱いていたが、彼らの退路は重火器で武装した巨漢によって塞がれていた。2mにも及ぶその巨大な背中は、猛炎の輝きを後光のように浴びている。
「クソッたれがッ! なんなんだよ、あの巨漢は……! あのナリで、中身はあいつらと同じ化け物だって言うのか!?」
「おい、RPGを出せッ! こうなりゃ1人だけでも道連れにしてやるッ!」
柳司郎のものと同じ野戦服に袖を通しているその巨漢は、一見すれば体格が並外れているだけの「人間」のようだったが。突撃銃の弾雨をものともしていないその姿は、彼もまた「怪人」なのだという事実を雄弁に物語っている。
改造人間に銃弾が通じないというのなら、それ以上の火力で吹き飛ばすしかない。
そう判断した数名の兵士達は、RPG-7と呼ばれる対戦車用の擲弾発射器を持ち出して来た。「人間」に向けるにはあまりにも過剰な数発の弾頭が、巨漢目掛けて発射される。
「……ぬぅあぁああッ!」
だが、巨漢こと紅衛校は全く怯むことなく雄叫びを上げ、専用の重機関銃の引き金を引いていた。勢いよく乱れ飛ぶ銃弾の嵐は、RPG-7の弾頭を次々と撃ち落として行く。
それでも、1発だけ仕損じた弾頭をまともに喰らってしまったのだが。猛煙の中から現れたのは、無傷のまま重機関銃を握り締めている紅衛校の姿だった。
外観以上の迫力を齎しているその姿に、対峙している兵士達は揃って震え上がっていた。
「ば、馬鹿な……! やはり、奴も改造人間とか言う怪物の1人なのかッ……!?」
「……そんなものか? 俺達を屠るには、まるで『火力』が足りていないな。その程度の武装で改造人間を倒せるつもりでいたとは……片腹痛いわ」
1960年代から中国で巻き起こった文化大革命。その動乱に巻き込まれ、瀕死の重傷を負った幼き少年は、死の淵から蘇るために徳川清山の技術に縋り――鋼鉄のボディを持つ改造人間の傭兵として蘇った。
天涯孤独の身であった彼は動乱の傷で記憶を失っており、己の本当の名前すらも分からなくなっている。紅衛校という名も、怪人としてのコードネームに過ぎない。
「俺には……俺には、何も無い。本当の名前はおろか、俺が俺である理由さえも。在るのはただ一つ、人ならざるこの『力』のみ」
「な、何を言って……ぐ、ぐぎゃあぁあぁああッ!」
「俺という存在を証明してくれるのは……俺の手によって死ぬ、貴様らの『死』だけだということだ。貴様らの死が、断末魔が、俺の存在を肯定してくれる。この身
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