特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第4話
[2/2]
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
てるじゃない。少しは避ける努力もしたらどうなの?」
「俺は良いんだ、お前ほど脆弱な装甲ではないのだからな」
そんなタパルドの「油断」を嗜めているのは、2足歩行のオオトカゲを想起させる凶悪な面相の怪人――カマキリザードこと、間霧陣であった。カマキリのような刀状になっている彼の両腕は、暗夜の中でも妖しい輝きを放っている。
「……そうだな? 山城大佐」
「あぁ。……お前は昔から、実にしぶとい男だった」
神風特別攻撃隊の生き残りであり、山城一の部下でもあった彼は、戦後の日本に馴染めず連続殺人事件を起こした死刑囚でもある。
死に場所を求めていた山城と共に徳川清山に拾われ、改造人間の傭兵となった彼は、変わり果てた姿で「戦争の続き」を堪能している。
「ひぎぁああッ!」
「無抵抗の相手を殺しておいて、悲鳴だけは一丁前だな。……お前達のような輩は、いい加減殺し飽きたぞ」
戦後の混乱に乗じて弱き者達を食い物にしてきた、法で裁けぬ悪人達。そんな者達ばかりを次々と殺して来たカマキリザードにとっては、この兵士達も「同類」であった。
タパルドを遥かに凌ぐ強靭な外皮は、突撃銃の弾丸を何百発浴びてもかすり傷一つ付いていない。
彼はその弾雨を中を悠然と闊歩し、外観とは裏腹な機動力を活かした踏み込みで、一気に間合いに飛び込むと――両手の刃で、次々と兵士達を斬り伏せて行く。
「……ふん。それにしてもティーガーIとは、また随分と懐かしい代物を持ち出して来たものだな」
歩兵達を細切れに切り刻んだカマキリザードは、第2次大戦時から運用されている旧ナチスの重戦車――ティーガーIの現地改修車を「鹵獲」していた。どうやら、ケルノソウルの火炎放射にも耐えられる戦車が1台だけ残っていたらしい。
「だが、ソコロフの炎にも耐える防御力については申し分ない。……俺達が『有効』に使ってやろう」
――国防軍が保有する装備としては最も上等な戦車であるそれは、後に羽柴柳司郎が搭乗する「タイガーサイクロン号」の基盤となる、悪夢の原石であった。
[8]前話 [9]前 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ