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仮面ライダーAP
特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第4話
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てるじゃない。少しは避ける努力もしたらどうなの?」
「俺は良いんだ、お前ほど脆弱な装甲ではないのだからな」

 そんなタパルドの「油断」を嗜めているのは、2足歩行のオオトカゲを想起させる凶悪な面相の怪人――カマキリザードこと、間霧陣(まぎりじん)であった。カマキリのような刀状になっている彼の両腕は、暗夜の中でも妖しい輝きを放っている。

「……そうだな? 山城大佐」
「あぁ。……お前は昔から、実にしぶとい男だった」

 神風特別攻撃隊の生き残りであり、山城一の部下でもあった彼は、戦後の日本に馴染めず連続殺人事件を起こした死刑囚でもある。
 死に場所を求めていた山城と共に徳川清山に拾われ、改造人間の傭兵(サイボーグ・マーセナリー)となった彼は、変わり果てた姿で「戦争の続き」を堪能している。

「ひぎぁああッ!」
「無抵抗の相手を殺しておいて、悲鳴だけは一丁前だな。……お前達のような輩は、いい加減殺し飽きたぞ」

 戦後の混乱に乗じて弱き者達を食い物にしてきた、法で裁けぬ悪人達。そんな者達ばかりを次々と殺して来たカマキリザードにとっては、この兵士達も「同類」であった。

 タパルドを遥かに凌ぐ強靭な外皮は、突撃銃の弾丸を何百発浴びてもかすり傷一つ付いていない。
 彼はその弾雨を中を悠然と闊歩し、外観とは裏腹な機動力を活かした踏み込みで、一気に間合いに飛び込むと――両手の刃で、次々と兵士達を斬り伏せて行く。

「……ふん。それにしてもティーガーIとは、また随分と懐かしい代物を持ち出して来たものだな」

 歩兵達を細切れに切り刻んだカマキリザードは、第2次大戦時から運用されている旧ナチスの重戦車――ティーガーIの現地改修車を「鹵獲」していた。どうやら、ケルノソウルの火炎放射にも耐えられる戦車が1台だけ残っていたらしい。

「だが、ソコロフの炎にも耐える防御力については申し分ない。……俺達が『有効』に使ってやろう」

 ――国防軍が保有する装備としては最も上等な戦車であるそれは、後に羽柴柳司郎が搭乗する「タイガーサイクロン号」の基盤となる、悪夢の原石であった。

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