特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第3話
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た戦車兵達は、彼らの悍ましい外観に悲鳴を上げながら砲弾を連射していた。
「許せない……! 人でありながら、人の心を捨てるなんてッ! こんなこと、絶対に……!」
人の顔が彫り込まれたカブのような頭部と、その下から生えている青白く細長い無数の腕。
ケルノソウルという名を冠したその姿は、異形という言葉でも足りない、見る者を震え上がらせる悍ましい怪物そのものであった。
――が、その正体はプリヘーリヤ・ソコロフという11歳の少女なのである。母親と共にソビエト連邦から亡命する際、追手の銃撃により生死の境を彷徨っていた彼女は、徳川清山の改造手術によりこの力を手にしてしまったのだ。
母親と死別し、生身の身体を失った今でもなお、人間として生きようともがいていた彼女だったが――国防軍の無慈悲な攻撃を目の当たりにした今となっては、もはや人の情すらも残っていない。外観通りの、怪物そのものと化している。
「俺達のような傭兵も、あいつらのような正規兵も……皆、生きるために相手を殺している。飯を食って行くために、殺し合っている。……だが、この攻撃にはその程度の『意味』すらねぇッ……!」
人型のイナゴのような外観を持つ怪人――ミサイルイナゴ。
その姿を持つ橋部一雄は、無意味な犠牲を生み出した国防軍の砲撃に煮え滾るような怒りを燃やしている。
戦後、アメリカ軍兵士と日本人女性との間に生まれた混血児だった彼は、謂れなき差別から逃れようと傭兵の世界に身を投じ、徳川清山と出会い――改造人間となった。
己の存在意義と価値を証明し、この時代を生き抜くために戦っている彼にとって、「命」の消費に見合うだけの「大義」もない殺戮など、決して許しておく訳にはいかなかったのである。
「はぁあぁあッ……!」
「行け、イナゴミサイルッ!」
ケルノソウルが、その口から凄まじい火炎を吐き出すのと同時に。ミサイルイナゴは腹部から、イナゴを模した小型ミサイルを大量に連射していた。
「ひぃいいっ!? あ、あづい、あづっ……あ、あぁあぁあッ!」
「イ、イナゴ型のミサイルが……大量にッ!? ぎぃ、やぁあぁあぁあッ!」
猛炎に飲み込まれた戦車の中で蒸し焼きにされた戦車兵達の絶叫が、この夜空に反響する。その高熱から逃れようとハッチを開いて身を乗り出した搭乗員達は、一斉に襲い掛かって来る小型ミサイルに肉体を吹き飛ばされ、僅か数秒のうちに無惨な白骨死体と化していた。
「せ、戦車隊が……一瞬で、たった2人に……!」
「化け物だ……正真正銘の、化け物だッ!」
反撃する暇など与えない、速攻に次ぐ速攻。その猛襲を浴びた戦車隊は瞬く間に壊滅し、護衛に就いていた歩兵達を戦慄させていた。
戦車の装甲はそのほとんどが灼熱に溶
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