特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第2話
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「ふん、運良く砲撃から逃れただけの分際でよく吠えるわ。……その悪運も、ここで尽きるというものよッ!」
研ぎ澄まされた殺意を纏う改造人間に睨み付けられても、ザンが全く怯まない理由。それは、柳司郎達と同様に人であることを捨てていた、彼の肉体にあった。
獰猛にして冷酷な巨漢が、全身の血管を浮立たせて吼える瞬間。その肉体を内側から突き破るように、八つの頭を持つ蛇の怪人が現れたのである。
「……清山のデータを基に、すでに己の肉体を改造していたか。それが貴様の『勝算』である、と?」
「その通りだ。そして貴様らが、用済みとなった理由でもあるッ! この『エイトヘッズ』がなァッ!」
「エイトヘッズ」という怪人としての名を明かしたザン。その八つの首が不規則な挙動で飛び出し、柳司郎の四肢に絡み付いて行く。
だが、戦車すらひしゃげるほどの力で締め上げられているというのに、柳司郎はうめき声一つ上げていない。彼は涼しい顔で、弾が尽きたAK-47を放り捨てている。
それほどまでに、双方の力量差が「隔絶」されているのだ。
徳川清山の科学力を以て開発された始祖怪人と、その見様見真似で生まれた贋作怪人とでは、あまりにも性能の地力が違い過ぎるのである。
「……こんなものか?」
「なにッ……うぉおおッ!?」
その現実を突き付けるように、四肢に絡み付く蛇頭を振り解いた柳司郎は――そのまま首を掴むと、一気に火の海目掛けて放り投げてしまう。自らが作り出した業火に焼かれながらも、蛇頭の怪人は怒りと屈辱に身を焦がし、その猛火から這い出て来ていた。
「この村を滅ぼしてまで得た『成果』が――こんなものかと訊いている」
「……化け物がァア……!」
自分達のアイデンティティを揺るがしかねない、精強なる人間兵器。その力を模倣し、己のものにしたのだと確信していたザンは、嫌悪感と殺意に満ちた表情で柳司郎を睨み付けていた。
対する柳司郎も、殺戮の対価としてはあまりに粗いエイトヘッズの性能を目の当たりにして、ますます殺意を漲らせている。こんな紛い物のために、この村は犠牲になったのかと。
柳司郎はその殺意に己の運命を委ね、黒コートを翻し――その下に隠されていた「ベルト」を露わにする。その外観は、木製と見紛うようなカラーリングとなっていた。
さらに柳司郎は懐から、「八塩折」としたためられた1本の酒瓶を取り出す。起動デバイスとなっているその酒瓶をベルトに装填した瞬間、怨嗟のような電子音声が流れ出していた。
『我、コレヨリ変身セリ。我、コレヨリ変身セリ』
野太く重苦しい音声が轟く中、柳司郎は剣を上段に構えるように両手の拳を天に掲げ、青眼の構えのように顔の正面へゆ
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