特別編 仮面ライダー羽々斬&オリジンモンスターズ 第2話
[1/3]
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
隊長格の男は、柳司郎が振り向きざまに放たれた鉄拳で頭部を消し飛ばされ、悲鳴を上げる暇もなく絶命。
AK-47を奪った柳司郎は、続けざまに歩兵達に向けて引き金を引き始めていた。薙ぎ払うような連射が、歩兵達に襲い掛かる。
当然ながら歩兵達も柳司郎を始末するべく一斉射撃を仕掛けるのだが、「人ならざる怪物」である彼の身体は、銃弾の豪雨に晒されても傷一つ付かない。
対して生身の人間である歩兵達は為す術もなく、1人ずつ眉間に弾丸を撃ち込まれて行った。銃が効かない人間が銃を持てば、そこから先は一方的な殺戮現場と化すのだ。
「ぐ、がぁあッ!?」
「ぎゃあぁッ!」
だが歩兵達に、その不条理を糾弾する資格はない。それは彼らがツジム村の住民達に対して行った無差別攻撃と、同じことなのだから。
――その「蹂躙」は、歩兵達の断末魔が絶えるまで続き。最後に柳司郎の前に現れたのは、ツジム村の疑惑を捏造して柳司郎達の始末を目論んだ、「元凶」の男であった。
「……ふっ。さすがは徳川清山特製の始祖怪人、と言ったところか? だが……単純な腕力と耐久性だけが取り柄とは、随分と芸のない改造人間だな」
日本人としては非常に大柄である柳司郎よりも、さらに優れた体格を持つスキンヘッドの巨漢――コン・ザン大佐。
柳司郎とその仲間達を擁する、徳川清山の傭兵会社と秘密裏に契約し、反政府ゲリラの駆逐に注力していた武闘派の陸軍将校だ。そして、柳司郎達に「ツジム村の殲滅」を依頼した張本人でもある。
「……念のため確認しておくぞ、ザン大佐。俺達にこの村の襲撃を命じた時から……全て、織り込み済みだったのだな?」
「これから1人残らず死に絶えることになる貴様らにとって、そんな確認が今さら何になるというのだ。金目当ての傭兵風情が、この期に及んで死ぬ理由を欲しがるのか?」
森という「可燃物」に囲まれた「いかにもな」場所に柳司郎達を誘き寄せ、民間人もろとも焼き尽くそうとした彼の計画は、結果として失敗に終わった。が、彼は凶悪な人型兵器を前にしていながら、不敵な笑みで口元を歪めている。
「まぁ良かろう、今日まで共に戦って来たよしみだ……御明察、と言っておいてやる。貴様らの働きで改造人間の有効性が実証された今……国籍を持たず、金次第で付く相手を変える改造人間の傭兵など脅威以外の何者でもないからな」
「実戦データだけ収集し、用が済めば危険だからと排除する……か」
「卑劣と糾弾するか?」
「……いや、自軍の強化を図る上では懸命な判断だ。脅威となり得る危険因子は消すに限る。だが、詰めが甘かったようだな。ここで俺達を屠るには、あまりにも弾が足りていない。貴様らのデータは杜撰の極みだ」
[8]前話 前書き [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ