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魔法絶唱シンフォギア・ウィザード 〜歌と魔法が起こす奇跡〜
AXZ編
第149話:その心は金剛より硬く
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。ったく、この超合金メンタルめ。フィジカルもメンタルも最強とか、天はこいつに色々与えすぎだろ」
颯人の言葉に徹が困ったような顔をしていると、女性用のシャワールームから奏達が出てくる。その中にクリスの姿を認めると、颯人はそっと彼女に近付きまだ少し湿り気の残る頭をポンと叩いた。
「幸せもんだねぇ、クリスちゃんは」
「はぁ? 何の話だ?」
「いやいや、こっちの話さ。さ〜て、飯でも行くかなっと……」
訳が分からないと言う顔をするクリスらを置いて食堂に向かう颯人。話の流れが読めず、クリスは一体どういう事かを透に訊ねた。
「何だあのペテン師……透、アイツと何話してたんだ?」
クリスが問い掛けると、他の女性陣の視線も一斉に透に突き刺さる。彼は向けられる視線に気圧されるような感覚を覚えつつ、笑みと共にそっと唇に人差し指を当てた。
それは誰がどう見ても、内緒……と言う意味のジェスチャーであった。
***
夜、颯人達に新たな指令が下った。
調査の結果、新たな軍事拠点が判明。そこでは化学兵器が製造されているらしく、働かされている民間人と思しき人物がバイオハザードマークの描かれたドラム缶を運ぶ様子も確認された。政府軍が関わっている以上、この施設にも当然アルカノイズが仕掛けられている可能性が高く、しかも迂闊な攻撃は周辺への環境汚染の危険もある。故に大火力を用いる事はせず、少数精鋭で制圧が出来る彼らに役割が回ってきた。
夜の帳が降りたジャングルの中にある川を、二つのボートが遡上していく。ボートの片方には翼とクリス、そして透が。もう片方には颯人と奏に響がそれぞれ乗っている。
敵に気付かれないようにと川を遡上するボートの上で、クリスは険しい顔をしていた。
このバルベルデに来てからと言うもの、嫌な思い出ばかりが蘇る。その最たるものは両親の死と、血の海に沈む透。
だが記憶の中に登場した人物は彼らだけではなかった。
『パパッ!? ママッ!?』
『クリス、駄目だッ!? おじさん達は、もう……』
『やだッ!? パパ、ママァッ!? 放して透、”ソーニャ”ッ!?』
『駄目よクリス、危ないわッ!!』
爆発により息絶え、瓦礫と炎の中で骸を晒すクリスの両親。2人の亡骸に涙を流して駆け寄ろうとするクリスを透と共に引き留めるのは、1人の浅黒い肌の女性……ソーニャ。
炎と更なる爆発にクリスが巻き込まれないようにと透と共に引き留める彼女に、涙ながら振り返ったクリスは悲しみを怒りをぶつけた。
『ソーニャの所為だッ!?』
『はっ!?…………くぅッ!?』
クリスが彼女に怒りをぶつけるのには理由がある。それと言うのも、支援物資として彼女が持ち込んだ荷物の中に爆弾
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