アイリーン・ベルセリオン
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入れ、それを引きずり出したのだ。
「バカな!!それはお前の魔力の源のはず・・・それを取り出すなど・・・」
「あぁ。喰わせろ喰わせろうるせぇから、捨てることにした」
彼の手から落ちる魔水晶。しかし、彼の周りには別のあるものが舞っていた。
「お前は一つ大きな勘違いをしている」
「何!?」
「棺の中でエレクシオンの声を聞いた。長年・・・共にいたせいで情が沸いたんだろうな。お前がエレクシオンに。
だが、当のエレクシオンはお前のことなどなんとも思ってねぇ。誇り高き雷竜の王、本能のままに心臓を求め続けていた」
そう言っている彼の周りに纏わりついていた魔力が、差し出された手へと渦を巻くようについていく。その間も彼は言葉を続けていた。
「己が尊厳を守るため・・・己が肉体を蹂躙した者を滅するため、魂となりさ迷い続けた」
「俺を・・・殺す・・・ため?」
その言葉と同時に、彼の行動にキリンは驚愕した。彼の周りにあったエレクシオンの魂・・・魔力は喰らい始めたのだ。
「雷竜のごときこの魔力・・・」
その魔力を喰らった彼は全身から赤い魔力が溢れて出ていた。そしてその目は操られていたもののそれではなく、完全に自我を持っているように見える。
「雷竜王・?御雷!!」
渾身の一撃が突き刺さった。赤い雷によりさらなるパワーアップを遂げた彼の拳を受けた男は力なく倒れる。
「エレクシオンの声がしたって?くくっ、全部冗談だ。そこに魔力があった。だから喰ったまで。ちょうどクソオヤジの呪縛からも解放されたかったしな」
そう微笑んだ彼はその場にしゃがみこむ。そして周囲を見回しながら、小さく呟いた。
「てか・・・ここはどこだ?」
ウェンディside
「誰?お前」
突然現れた緋色の人物にわからず困惑しているネバルさん。ただ、私は仲間に似ている彼女の登場に驚いています。
「アイリーンさん・・・どうしてここに・・・」
思わず問いかけていました。私の質問を聞いた彼女はフフッと小さく笑ってから答えます。
「ゴッドセレナとリュシーから天使討伐の手助けをお願いされたの。ここにはその調査の一貫で来たんだけど、懐かしい声がしたから遊びにきちゃった」
本当に楽しそうな笑顔を浮かべながら答えるアイリーンさん。しかし、私たちの間にいる人はその様子が気に入らない様子。
「お前・・・ドラゴンの匂い・・・」
「あら、ずいぶん鼻がいいのね。ううん、というよりも・・・」
ネバルさんの正体を察したのか、アイリーンさんの目が細くなる。しばし睨み合った二人。そして風が吹き止んだと同時に彼女たちは動き、ぶつかり合いました。
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