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イベリス
第九十五話 恋人のカードその五

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「じゃあ」
「はい、では九枚目はこれで終わりで」
 この話はというのだ。
「最後ですが」
「全体の見立てですね」
「最後の結果ですね、全体は」 
 それはというと。
 星の正だった、速水はそのカードを見て言い切った。
「非常にいいです」
「星ですか」
「その正です、希望に満ちている明るい」
「そうしたですか」
「カードですので」
「じゃあ私の将来は」
「このままよい環境でよいものを学んでいけば」
 そうすればというのだ。
「全くです」
「問題ないですか」
「はい」
 咲に笑顔で答えた。
「これは」
「それじゃあ」
「努力されて下さい」
 是非にと言うのだった。
「晴れやかなお心で」
「晴れやかな」
「迷うことなく今のままです」
「努力していけばいいですか」
「そうされますと」
「未来は素晴らしいものになりますね」
「はい、どうやらです」
 速水は十枚のカード、ケルト十字に並べられたそれ等を見つつ咲に話した。
「小山さんは非常に素晴らしい道に入られていますね」
「人生の」
「そうです、多くの者を学べる」
 そうしたというのだ。
「素晴らしい道に入られて」
「歩いていますか」
「はい」
 まさにとだ、速水は答えた。
「ですからこのままです」
「その道を進んでいくことですか」
「そうされて下さい」
「わかりました、ですが」
 ここでだ、咲は恋愛の逆を見て速水に言った。
「恋愛は」
「あくまで道標です」
「いい結果になることもですか」
「悪いカードが出ましても」
 それでもというのだ。
「そこからどうするかが大事ですね」
「占いはそうですね」
「ですから」
「恋愛についてもですか」
「悪いことにならない様にすることをです」
 それをというのだ。
「お考えになるものです」
「恋愛についても」
「恋愛は馬鹿に出来ません」 
 速水はこのことは真面目に述べた。
「トラウマにもなります」
「深刻なものなんですね」
「ですから」 
 それでというのだ。
「極めて慎重に見て動くべきです」
「さもないと痛い目見て」
「本当にトラウマをです」 
 これをというのだ。
「持ってしまいます、それも一生引きずるまでに」
「深刻なんですね」
「そうですので」
「慎重にですか」
「動かれて下さい、一目惚れで突発的に動きますと」
 恋愛についてそうすればというのだ。
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