第七幕その三
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「満月もで」
「それで、ですね」
「蛙のコンサートの日もあって」
「それが今日で」
「そっちを楽しむ」
「今から凄く楽しみです」
「その時は美味しいものも出すわね」
オズマはにこりと笑って皆にお話しました、そうしてでした。
皆日暮れまで楽しく働いてでした、夜は檜風呂に入って身体を奇麗にして心をすっきりさせてです。
けんちん汁と鮎の丸焼きに梅干し、お豆腐に菊菜のおひたしに白いご飯を食べてです。お食事が終わってすぐに雨が降りましたが。
皆でお屋敷の縁側雨が入らない場所に座ってです。
雨音の中で水田の方から聴こえてくる蛙の大合唱を聴きました、すると恵梨香はうっとりとして言いました。
「素敵なコンサートね」
「そうだね」
ジャックもその通りだと頷きます。
「雨の音と合わさって」
「そのうえでね」
「最高のコンサートになっているね」
「ええ、ずっと聴いていたい位ね」
「全くだよ」
「コンサートだけじゃないです」
ここで座敷童が言ってきました。
「他にもありますよ」
「何かな」
「食べたり飲んだりする必要のない人もおられるけれど」
それでもというのです。
「よく冷えた西瓜と麦茶もね」
「あるんだ」
「ええ、お昼からよく冷やしていて」
そしてというのです。
「今出すつもりだったの」
「その二つをなんだ」
「今から出すわね」
「それはとてもいいわね」
オズマは座敷童のお話を聞いて言いました。
「最高よ」
「そうですよね」
「こうした夜はね」
「西瓜と麦茶ですね」
「その組み合わせよ」
まさにというのです。
「一番いいのは」
「あと梅酒もあります」
「おお、それはいい」
梅酒と聞いて喜んだのは教授です。
「アルコールのないものもあるね」
「勿論です」
「ではオズマ姫と恵梨香達五人にはだよ」
「麦茶とですね」
「アルコールが入っていないけれど酔えるね」
「その麦茶をですね」
「出そう、そしてね」
それでというのです。
「私は大人だからね」
「普通の梅酒をですね」
「楽しみたいよ」
「ではそちらをお出しします」
「ではね」
こうお話してでした。
座敷童と竜宮童子達はよく冷えた西瓜に麦茶そして梅酒を出してくれました。食べて飲むことが出来る人達はです。
皆で楽しみました、そして。
恵梨香は西瓜の皮の部分が黒と紫で中身は黄色いのを見て言いました。
「外はギリキンだけれど」
「中身は黄色いね」
「所謂クリーム西瓜だね」
「日本で結構売っているね」
「その西瓜ね」
「そうね、食べてみても」
片手で持てる位の三角に近い形に切られたそれを先から食べつつ言います。
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