第十三話 母親その十一
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「本当によ」
「嬉しいか」
「三人一緒で食べることもね」
「昼は二人でだな」
「どっちも嬉しいわ」
鍋の中の野菜を取りつつ話した。
「私もね」
「だからな」
封真は豆腐を食べつつ言って来た。
「これからもな」
「こうしてか」
「三人でだ」
夜はというのだ。
「食べないか」
「そうしていいか」
「遠慮はいい」
これはというのだ。
「もうな」
「そうか」
「だからな」
「明日もか」
「それからもな」
ずっと、そうした言葉だった。
「一緒にだ」
「食っていいか」
「そうして欲しい」
「そう言ってくれるか」
「心からな」
まさにというのだ。
「そうしたい」
「そうか、ならな」
「色々作るから」
小鳥がまた言ってきた。
「美味しくて身体にいいものをね」
「そうしてくれるか」
「小鳥の料理の腕は知っているな」
封真も続いてきた。
「昔からな」
「料理上手だったな」
「母さんの血を引いてな」
そうしてというのだ。
「そうだからな」
「そうだな、そういえばだ」
ここで神威は思い出した様に言った。
「叔母さんは確か」
「ああ、死んだ」
封真は悲しそうに答えた。
「お前も知っているな」
「そうだったな」
「そのお母さんの代わりにね」
小鳥も悲しい顔で言ってきた。
「私がね」
「家事をしていてか」
「お料理もね」
こちらもというのだ。
「毎日作っていてね」
「味だけでなくか」
「健康のことも考えてね」
そうしてというのだ。
「作っているから」
「そうなのか」
「だからね」
それでというのだ。
「神威ちゃんはお昼もで」
「夜もか」
「一緒に食べよう、その方がね」
「美味いしか」
「健康にもいいよ」
「俺は料理はな」
神威は少し苦笑いになって答えた。
「実はな」
「得意じゃないの」
「だからな」
それでというのだ。
「二人がそう言ってくれるなら」
「お昼は私がお弁当持って来て」
「夜はこうしてだな」
「三人で食べよう」
「それじゃあな」
「そうしたら俺も嬉しい」
封真も言ってきた。
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