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第十三話 母親その十

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「龍馬さんは今もです」
「魂は日本にあるか」
「そして東京にです」
「そうか、天の龍と結界だけではないか」
 神威はその話を聞いて考えて言った。
「東京を護っているのは」
「そうですね」
「その人達の魂もあるか」
「そして結界を助けているかと」
「そうなんだな」
「私は思います」
「この街は結界の街よ」
 火煉はこう話した。
「様々なお寺や神社にね」
「ビルに公園に線路にな」
「橋もタワーもね」
「東京タワーだな」
「ええ、そうしたもの全てがね」
「結界だな」
「そうなっているのよ」
 神威に微笑んで話した。
「そしてそこにね」
「偉人達の魂もか」
「あってね」
 それでというのだ。
「この街も護っているのよ」
「そのことも覚えておくことだな」
「そうよ、そうしておいてね」
「わかった、では今夜はな」
「軍鶏鍋をなのね」
「食ってくる、あんた達はどうする」
「ああ、今日は焼肉やねん」
 空汰が笑って言って来た。
「ここにおる全員でな」
「肉を焼いてか」
「サラダもあるし冷麺も食ってな」
 神威に笑って話した。
「そしてや」
「楽しむか」
「そうするわ」
「それもいいな、ではお互いにな」
「美味いもんをな」
「楽しもう」
「そうしてこよな」
 こうした話をしてだった。
 神威は国会議事堂を後にして桃生神社に赴いた、そうして封真と小鳥に笑顔で迎え入れられてだった。
 共に軍鶏鍋を食べた、神威は煮られた軍鶏の肉を食べて言った。
「これはな」
「美味いか」
「ああ」
 共に食べる封真に微笑んで答えた。
「普通の鶏肉とはまたな」
「違ってだな」
「肉の弾力がよくてな」
 それでというのだ。
「実にだ」
「それが軍鶏鍋のいいところなの」
 笑顔でだ、小鳥も言ってきた。
「弾力があってね」
「美味いな」
「普通の鶏肉もいいけれど」
 それでもというのだ。
「今回いい軍鶏肉を貰ったから」
「それでか」
「作ったみたの」
「そうだったか」
「ええ、本当によかったわ」
「龍馬さんの好物でか」
「余計に嬉しいわ」
 こうもだ、小鳥は話した。
「本当にね」
「美味いからか」
「それに神威ちゃんも一緒だから」
 このこともあってというのだ。
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