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星々の世界に生まれて〜銀河英雄伝説異伝〜
敢闘編
第六十六話 トラーバッハ星域の戦い(後)
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11:00
トラーバッハ星域近傍、銀河帝国軍、討伐艦隊、
旗艦ノイエンドルフ、
ラインハルト・フォン・ミューゼル

 我々がノルデン艦隊の救援に駆けつけた時には、逆にノルデン艦隊の方が押されていた。最初の我々の攻撃で壊走寸前に見えたのは、どうやら擬態だったらしい。ノルデン伯爵も大言壮語した手前、救援を求めるのを躊躇っていたようだ。死んだら面子もへったくれもないと思うのだが、どうやら彼等はそうではないらしい。
戦場到着後、半日かけてクロプシュトック艦隊を殲滅、ノルデン艦隊にクロプシュトック領の処理を任せ、我々は反転再度アントン、ベルタ両分艦隊と合流した。我々の合流を見てとった敵は予想通り退却を始めた。当初から追撃は考えていなかったし、その余裕もなかった。早急に奪還軍と合流しなければならないのだ。撤退する所属不明の艦隊については宇宙艦隊司令部を通じてフェザーン方面に警報を発する事になった。発見すればオーディンに残るミュッケンベルガーが対処する事になるが…だが、あの所属不明の艦隊が発見される事はないだろう。我々の前に現れた時も、誰にも発見されていないのだ。気が重く、不思議な戦いだった。次に戦う相手はこのようなまやかしではなく本物の敵だ。同盟軍七個艦隊。そしてあの男達が待ち受けている事だろう。ヤマト・ウィンチェスター、ヤン・ウェンリー…奴等に勝てるだろうか…いや、勝たなくてはならない。いずれ、俺が宇宙を手に入れる為に…。







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