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星河の覇皇
第八十三部第四章 戦線崩壊その四十七

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「第一はな」
「左様ですね」
「だからだ」
「まず国境を固めることですね」
「連合はその時点何かと厳重だが」
「近頃特にですね」
「そうだ、サハラとの国境にかなりの防衛ラインを築いているな」
「むしろティムール軍のそれなぞです」
 ラシークに代わってシンダントが言ってきた。
「比較にならないまでの」
「まるで蟻一匹通れないまでのな」
「恐ろしい堅固さです」
「そこまでの陣を敷いてだ」
「こちらに備えていますね」
「そしてマウリアにも敷いているな」
「はい、駐在武官達も見ていますが」
 シンダントはアッディーンに答えた。
「これまたです」
「かなりのものだな」
「噂以上のものとか」
「そして宿敵エウロパにはな」
 エウロパから見て連合はまさにそれだが連合から見たエウロパもまた同じ存在であるのだ。それで国防も彼等を第一にしているのだ。
「三重だな」
「アタチュルク要塞群、マラッカ回廊の要塞にですね」
「そしてガンタース要塞群だ」
「強固というものではないですね」
「そうだ、だからだ」
 それでというのだ。
「あの国は国土にはな」
「何としてもですね」
「敵を入れない」
「そうしていますね」
「あくまでな、あれはいい考えだ」
「国防については」
 シンダントも述べた。
「まさにだ」
「連合は国土を一寸も市民を一人もだ」
「もっと言えば生物の一匹、草木の一本すらも」
「渡そうとしない」
 そうした考えだというのだ。
「だからだ」
「それ故にですね」
「私はだ」
「何としてもですね」
「サハラに敵を一兵も入れないことをだ」
 まさにというのだ。
「理想としている」
「バグダートを軸にして」
「そうだ」
「では」
「そこも考えていく」
「国防もですね」
「そうしていく、ではな」 
 アッディーンは今はティムール軍の防衛ライン全体の占領と速やかな整備補給基地化を進めていった、だがその間進撃は停止させず。
 全軍の整備と補給の後で再び進軍を命じる、そうして言うのだった。
「今もだ」
「進撃は、ですね」
「止める訳にはいかない」 
 こうシャルジャーに述べた。
「やはりな」
「ティムール軍は撤退中ですが」
「しかしだ」
 それでもというのだ。
「今はだ」
「進撃を続けますね」
「そうだ、そしてだ」
「戦争自体をですか」
「終わらせる、この第一軍もだ」
 アッディーンは自身が率いる軍の話もした。
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