第二章
[8]前話
「そうしたらわかるからな」
「そうなのね、それじゃあね」
「ちょっと行って来るわね」
二人も頷いてだった。
実際にその店に行って食べてみた、実は二人はまだ行っていなかったのだ。
店の中は繁盛していてやっぱり競争相手じゃないかと思った、そのうえでこの店のカレーを食べたのだが。
その後で家でだ、姉妹は父に言った。傍には二人そっくりの母もいる。
「味違うわね」
「私達のお店とはね」
「私達のカレーは日本のカレーライスだけれど」
「あちらはカリーね」
「同じと言えば同じだけれど」
「全く違うわね」
「そうだ、あそこも美味いがな」
それでもとだ、父は娘達に話した。
「同じ料理かっていうとな」
「違ったわね」
「確かにね」
「そうだ、あっちはインド料理でな」
それでというのだ。
「カリーなんだよ」
「カレーじゃなくてね」
「そうだったわね」
「日本のカレーとインドのカリーは違うんだ」
父は強い声で言い切った。
「同じ麺類でもうどんと蕎麦は違うな」
「またね」
「同じ日本の麺類でもね」
「そういうことだ、どっちがうどんで蕎麦かは置いておいてな」
それはいいというのだ。
「全く違うからな」
「競争相手じゃない」
「別のお店ってことね」
「そもそもあっちはビーフカレーないだろ」
この店の標準的なカレーである。
「基本鶏肉か野菜だろ」
「あっ、インドはそうよね」
「宗教的な理由でね」
姉妹もこのことは知っていた。
「牛肉アウトなのよね」
「菜食主義が多いのね」
「だからだ、あっちはあっていでな」
「うちはうちね」
「違うお料理ってことね」
「そうだ、だが営業努力はいいからな」
このこと自体はというのだ。
「これからもやっていくぞ」
「味もサービスもよくしていく」
「宣伝も企画もよね」
「そうしたことは怠るとすぐに駄目になるからな」
こう言ってだった。
父は二人に営業時間になると店に行かせ自分と妻もそうした、姉妹はそれからも努力して自分達の店を繁盛させていった。
日本カレーとインドカリー 完
2023・4・21
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