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星河の覇皇
第八十三部第四章 戦線崩壊その四十五

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「衝突しない様にしたい」
「友好条約は」
「中央政府とも各国政府とも結びたいが」
 それでもとだ、ここでアッディーンは言った。
「あの国は自分達以外には無関心だな」
「エウロパは敵視しても」
「それでもだ」
 あの国はというのだ。
「他国には無関心でだ」
「それで、ですね」
「友好条約は結びやすいが」
「結びやすい分ですね」
「だからといってどうだという様な」
「何でもないものになりますね」
「そうなるからだ」
 だからだというのだ。
「あの国とはな」
「条約を結ぶ」
「そこからは深化しないだろう」
「そうですか」
「どうもな」
「では連合のことは」
「そこまででな、後はエウロパとなるが」
 この国だとだ、アッディーンはラシークに話した。
「これまでの対立のこともあるが」
「それでもですね」
「国益を考えてな」
「敵対をですね」
「和解に変えてだ」
 そしてというのだ。
「ことを進めたい」
「そうお考えですか」
「先はな、しかし」
「それでもですね」
「それは難しいともな」
 その様にともというのだ。
「考えている」
「左様ですか」
「しかしだ、困難だからといってだ」
「背を向けてはですね」
「何にもならない、世の中は不可能と思われる可能なことが多い」
 アッディーンはこの言葉も出した。
「その実はな」
「だからですね」
「この度もだ」
「ことを果たされますか」
「皇帝になればな」
 その時からというのだ。
「外交としてはまずはだ」
「エウロパとの関係修復ですか」
「それに乗り出したい、そして」
「そのうえで、ですね」
「関係修復を進め」
 そしてというのだ。
「相互不可侵、友好条約をだ」
「結びますか」
「やがてはな、エウロパにも事情がある」
「あの国の事情となると」
「そうだ、あの国の敵は何処か」
「言うまでもなく連合ですね」
「あの国はサハラを敵としていてもだ」
「あくまで第二ですね」 
「第一、不倶戴天と言っていい敵は常に決まっている」
「連合ですね」
「そうだ、しかもだ」
「近年、エウロパ戦役が終わり」
「ギルフォード総帥となってからはな」
 まさにというのだ。
「とりわけだ」
「連合への敵対政策を強めていますね」
「エウロパ伝統の政策をだ」
 まさにそれをというのだ。
「強めている」
「これまで以上に」
「今の軍備復興、それからの拡張となっているだ」
「近代化も促進しての」
「それはだ」
 その政策の源流はというのだ。
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