第33話 母と嫁
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言いました。
「母上が聞きたいと仰ったのです。私達は別に話したくなどありませんでした。当人同士が納得しているのですから良いでしょう」
「正宗様。お義母様にそんなことを仰しゃってはいけませんわ。私はお義母様に私達のことを聞いて戴けて本当に嬉しいですわ。お義母様。私は正宗様と文武に励んで居いたことを苦と思ったことは一度もございませんのよ。恥ずかしい話ですが、私は正宗様にお会いするまで、馬鹿でしたの。周囲から白い目で見られていたことすら気付いていませんでしたの。その中で、正宗様はいつも私のことを思って頑張ってくださったのです。私はそんな正宗様が大好きです」
麗羽は恥ずかしそうに頬を染めながら母上に自分の気持ちを伝えていました。
「お義母様。私も正宗様との出会いをつまらぬものとは思いません。正宗様は私に希望を与えてくださいました。私の周囲に近づく者は私を利用しようとする者達ばかりでした。その中で、正宗様は命を賭してもお前が欲しいと私に短剣を差し出されました。それ迄、正宗様のように純粋な気持ちをぶつけてきた方はいませんでした。私はこの方とずっと一緒に居たいと思いました。だからこそ、私は仕官を求められましたが妻にしてくださいと正宗様に要求いたしました」
揚羽は普段の淡々とした態度ではなく、感情の篭った表情で母上に自分の気持ちを伝えていました。
「ふふふふ、二人とも正宗のことが好きなのね。正宗は果報者ね。正宗。二人を必ず幸せにしなさいね。二人を不幸にしたら母上は許しませんからね」
母上は唐突に麗羽と揚羽の言葉を聞いて、嬉しそうに微笑んでいます。
「麗羽さんと揚羽さん。正宗のこと頼みます。この子は一人で何もかも抱える悪い癖があります。私や夫には言えないことでもあなた達になら素直に話せるかもしれない」
母上は麗羽と揚羽に頭を下げて、私を頼むと言いました。
まだ、婚礼は先なのに今言う事でもないように思います。
麗羽と揚羽は母上の突然の行動に驚いています。
「お、お義母様。頭をお上げください。もとより私は正宗様をお支えするつもりです。私の一番大切な方ですもの」
「お義母様。麗羽殿の仰る通りです。私達は常に正宗様と共にあります。正宗様に嫌われようと離れるつもりはございません」
二人とも神妙な面持ちで母上に応えていました。
「本当に良い子達ね。正宗には勿体ない位・・・・・・」
母上は麗羽と揚羽を見つめながら言いました。
「麗羽ちゃんと揚羽ちゃん。今日の夕飯は一緒に作らないかしら。正宗の好物も知りたいんじゃない」
母上は二人に夕飯を一緒に作らないかと誘っています。
「是非、参加させてください」
「正宗様の好物とは興味深いです。私も参加させてください。料理は得意ではない
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