第二章
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「おらは吉田すみれ、農業科に通ってるだ」
「商業科と農業科で寮違うしね」
「この学校じゃね」
「地方から来てる娘は入っても」
「それでもね」
「しっかし彩奈が随分垢ぬけててわからなかったべさ」
「いや、おらずっと思ってただ」
彩奈はすみれに笑って話した。
「高校生になったらお洒落しようと」
「都会の学校に入るだからだっな」
「そうだべさ、都会の学校さ行くなら」
それならとだ、彩奈は強い声で言った。
「やっぱりお洒落しないと駄目だって思ってたべさ」
「そんでおめお洒落になっただか」
「そうだべさ、しかしすみれちゃん全然変わらねっだな」
「だからおらはもうこれが好きだべさ」
「スケ番だべさ」
「もうこれが最高だべ」
すみれは笑って言った、そして。
彩奈はそのすみれの横で自分のクラスメイト達に話した。
「東北生まれなのは言ってたと思うけれど」
「ああ、そのことはね」
「私達も聞いてたわ」
「秋田の方の生まれって」
「そこの田舎の方だって」
「そうした話こっちで行ってもわからないしね、言葉もね」
これもというのだ。
「こっちじゃわからないと思って」
「標準語喋ってるの」
「そうなの」
「そうしてるの、中学の時は服装も全然違ったし」
「その時のおら達の画像見せてもいいだか」
すみれがここでまた言ってきた。
「どだか」
「話してなかっただけで隠すもんでもねっしいいだ」
「そか、そならこの娘達にも見せっだ」
「おらも持ってっだが」
「もうおらが携帯出しただ」
「そだか、なら頼むだ」
「そっだらな、めんごい娘っご達これが中学の時のおら達だ」
すみれは彩奈のクラスメイト達に自分の携帯に中学時代の自分達の画像を出して見せた、するとそこには。
今と大して変わらないすみれとだった。
丸眼鏡をかけて髪の毛を左右に三つ編みにして地味なセーラー服を着て如何にも地味そうな彩奈がいた、その彼女を見てクラスメイト達は言った。
「へえ、こんなのだったのね」
「中学の時の彩奈ちゃんって」
「全く別人ね」
「そうよね」
「まあ高校デビューになるわね」
彩奈は笑って言った。
「私達のところかろうじて村だったけれどね」
「おらの家はご近所でも隣村だっただ」
すみれも言ってきた。
「そんで学校は別だっただ」
「村ごとの学校だべさ」
「そだったからな」
「いや、村ね」
「神戸じゃわからないことね」
「そうしたところから神戸に出て来て」
「今はこうなのね」
彩奈のクラスメイト達も言った。
「そうなのね」
「見事なイメチェンンね」
「それが出来たわね」
「いやあ、もうこれからはね」
彩奈は自分のクラスメイト達にさらに話した。
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