第一章
[2]次話
高校デビューの娘
神戸にある八条学園高等部普通科に通っている糸井彩奈は黒髪を長く伸ばし奇麗にセットしている、明るく黒目がちの大きな目で眉は細く長く奇麗なカーブを描いていて唇は赤く歯は真っ白だ。
色白でやや丸い感じの顔で一五〇位の背で胸が大きい。明るくハキハキとした性格でクラスの人気者である。
そんな彼女だが昔のことは絶対に話をしない、あくまで今のことばかりを言う。
このことに誰も何も思わなかったがある日のことだった。
彩奈がある日の放課後学校の図書館でクラスメイト達と勉強をしてから閉館時間になってそこを出るとだった。
一人の一六五位の背で金髪を長くしていてきつそうな目と眉それに大きな紅の唇に足が完全に覆われたスカートと丈の短いセーラー服の彼女がだ。
グレーのヒラヒラしたミニスカートと濃紺のブレザーに青のネクタイに白のブラウスという彼女が通っている高校の制服の一つを着ている彼女に言った。
「あれっ、おめ彩奈だべ」
「あっ、すみれちゃん」
「そだ、おめこの高校だったか」
「そう言うすみれちゃんもだべ」
「ああ、おらは農業科だけんども」
「おらは普通科だべさ」
「いや、まさか同じ高校だとは思わねんだども」
その昭和の不良高校生そのままの外見の彼女は笑って言った。
「こっただどこで会うなんてな」
「思わなかったべさ」
「そだな、それでおめ随分ファッション変えただな」
「そういうすみれちゃんは相変わらずだべ」
「おらはもうこのスタイルでいくべさ」
「田舎にいた時からだんな」
「そうだべさ、それがおらだっぺさ」
その娘は彩奈に笑って言う、だが。
彩奈と一緒にいるクラスメイトはその彼女に尋ねた。
「あの、ちょっといい?」
「あの娘農業科の娘みたいだけれど」
「彩奈ちゃんの知り合い?」
「ひょっとして」
「そうなの、お家は近所同士だったけれど」
彩奈はクラスメイト達に笑顔で話した。
「学区が違ってね」
「それでなの」
「別々だったの」
「学校は」
「お家は近所同士手でも学区が違ってて」
中学校のそれがというのだ。
「どの高校に行ってたか知らなかったの」
「そうだったのね」
「それで実は同じ高校だった」
「思わぬ再会ってことね」
「そだべ、おらと彩奈は秋田でずっと仲良しだっただ」
その娘も笑って言ってきた。
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