第七十三話 海と木の間でその十一
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「凄いことは事実だからね」
「難しいってことでね」
「東大入るのは確かにね」
日本最高峰とされる大学だけあってだ。
「入学自体がね」
「難しいからね」
「それを基準として」
「皆言うからね」
「それで海軍さんのね」
「士官さんになろうと思ったら」
それこそとだ、一華は言った。
「東大入るよりも難しかった」
「陸軍さんもね」
「そこからさらに鍛え抜くから」
「厳しい訓練と規律で」
「凄くない筈がないわね」
「もうね」
「それで今だって」
留奈は周りを見回して話した。
「これだけ奇麗にするってね」
「相当お掃除してるわよね」
「ここまで出来てるところがね」
「駄目な筈ないわね」
「絶対にね」
それこそというのだ。
「自衛隊はかなりのところよ」
「馬鹿にしたり否定したりする様な」
「そんなところじゃないわよ」
「絶対にね」
こんな話をしたのだった、そしてだった。
海を見てだ、一華はまた言った。
「考えてみたら泳げるだけでもね」
「海上自衛隊の人は?」
留奈が問うた。
「常識でしょ」
「海軍の人達もだけれどね」
「結構世界的に見たらね」
「海軍さんでもね」
「皆がそうとは限らないらしいし」
「それが普通っていうのも」
海洋関連の軍事組織において誰もが泳げる様になっている様な状況であることもというのである。実際韓国海軍は泳げない者も多い。
「凄いわよね」
「泳げないならね」
留奈は言った。
「徹底的にね」
「プールで泳げる様によね」
「教えられるっていうし」
「それでここはね」
海上自衛隊幹部候補生学校ではというのだ。
「十六キロ遠泳」
「そんなの出来ないわよ」
「うちの水泳部でもね」
一華は真顔で言った。
「ちょっとやそっとでね」
「十キロでもね」
それだけでもというのだ。
「相当だっていうし」
「そこから六キロ長いって」
「それ泳ぐだけでもね」
「無茶苦茶凄いわよ」
「訓練してそれが出来たら」
「もうね」
「かなりよね」
こうだ、留奈も言った。
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